【横浜市中区の不動産屋発信】不動産の相続に必要な戸籍謄本とその手続き

カテゴリ:相続のこと

戸籍謄本は、不動産相続の申告の際に必要になります。被相続人が亡くなり相続が起きると遺産の名義を変更する必要が発生するためです。その際には法務局に故人の除籍謄本をあわせた戸籍謄本を出生から死亡時まですべて集め、提出しなくてはなりません。

戸籍謄本の取得はかなり便利になった

法律上、遺産分けや名義変更は、被相続人である故人にとってどの人が法定相続人となるかを特定してからでないと認められません。この相続人を確定するのに必要なのが戸籍です。戸籍を調べていくうえで、こういったケースもあります。たとえば、亡き父に前妻との間にできた子がいた場合など、戸籍をたどっていくことで初めて判明する場合もあるので注意が必要です。

従来、戸籍は本籍地がある市区町村が管理しており、その窓口に出向くか、郵送により請求する必要がありました。法定相続人を確定するために古い戸籍の取得が必要になるなど、あまりに煩わしいため、手数料を払って司法書士や行政書士に戸籍謄本を集めてもらう場合もあるようです。

そうした煩雑な手続きを簡略化してほしいとの声に応え、政府は本籍地以外の市区町村に対して請求できるようにする規定を加えました。故人の本籍地が遠方にあったり何度も変わったりしていても、相続人は最寄りの役場で手続きできるようになったのです。

横浜市内の場合は、戸籍謄本を区役所・行政サービスコーナー、郵送を利用して請求できます。市内に住民票、本籍がありマイナンバーカードをお持ちの方はコンビニでも請求できるようになりました。

ただし注意したい点もあります。除籍謄本・除籍抄本については、行政サービスコーナーやコンビニでは請求できないのでご確認ください。区役所または郵送で請求する必要があります。

新制度の活用で相続手続きも簡略化されている

相続の手間を省くという点においては、平成29年5月にスタートした「法定相続情報証明制度」も知っておくといいでしょう。この制度は、登記所に戸除籍謄本等を提出し、併せて相続関係を一覧に表した図を提出することで、その一覧図に認証文をつけた写しを無料で交付してもらえるものです。その後の相続手続は、法定相続情報一覧図の写しを利用することが出来るので便利です。

この制度を利用することができる方は、お亡くなりになった方の相続人です。相続人に都合がつかない場合、代理を立てることもできます。委任による代理人として認められるのは、親族のほか、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労などに依頼することができます。ただし、お亡くなりになった方や相続人が日本国籍を有しないなどの場合は、この制度を利用することができないので注意が必要です。

なお、申し出や一覧図の写しの交付は、登記所に出向く以外に郵送によることも可能です。郵送による、その図の写しの交付を希望する場合は、その旨を申し出書に記入した上、切手を同封し返信用の封筒を送付してください。窓口で受取をする場合は、受取人の確認のため、「申出人の表示」欄に押印した印鑑を持参することが必要です。

まとめ

一般的に、不動産の名義人が亡くなってからそのまま何もせずにいると時間が経つにつれ、相続人が増えていく傾向があります。そのため、話し合いがより困難なことにもなってしまう場合もあります。また、将来名義変更をしようとしたお子さんやお孫さんが、苦労することになるので注意したいところです。そして不動産は亡くなった方の名義のままでは売却することは不可能です。従来非常に煩雑だった不動産相続に必要な戸籍謄本の取得は楽になり、法定相続情報一覧図の写しを利用することが出来る新制度・「法定相続情報証明制度」によって手続は簡便化しています。相続が必要になった場合には早めの対策が必要です。

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