【横浜市中区の不動産屋発信】債務超過における相続放棄の注意点

親などの財産を相続する場合に、見た目ではわからない負債がある場合があります。気を付けないといけないのは、期限内に相続放棄が必要ならば完了する事です。債務超過における相続放棄の注意点について紹介をいたします。

遺産相続での債務の確認

相続によって財産を増やす事が可能と考えている方が多いと思いますが、中には、調べてみないとわからない借金やローンの残りなどによって、全ての資産から負債額を差し引いても、負債の方が大きい場合もあるのです。このような場合には、相続放棄を行う場合が一般的な方法になります。

ただし、不動産の購入時に保証人になっている場合には、相続放棄をしてしまう事は出来なくなります。仮に、自己破産しても、社会的な信用を失うなどマイナス面が大きくて債務整理を行う必要があるのです。

相続方法の違い

相続が開始した時期は、被相続人が亡くなった事を知った日から3カ月以内の考慮する期間以内に、管轄である裁判所に対して、相続放棄などの手続きを行わなければならないのです。手続きには3つの方法があります。

【1.単純承認】
何も手続きしなければ単純承認となり、財産だけでなく負債の支払いまで引き継ぐ事になります。相続の放棄が出来なくなる場合があります。

【2.限定承認】
相続財産の中から負債を返していく方法となり、負債分を超える場合は、認めない形式です。他の相続人がいる場合には、全員の承認を得る必要があります。同じく3カ月以内の手続きが必要です。

【3.相続放棄】
相続によるプラス分やマイナス分も、引き継ぐ事になります。他の相続人の承認は必要なく個人だけで行えますが、この場合の相続の権利は、その子供にも引き継ぐ事はありません。通常の相続の場合は、法定相続人の順位によって権利が決まっていますが、相続放棄によって、子供から両親に、両親が放棄すると兄弟が相続の権利を引き継ぎます。代襲制度は死亡による継承で、相続放棄では継承出来ないのです。

特殊なケースでは弁護士などに依頼する

1.熟慮期間を過ぎてしまった対応
多額の負債について相続人が知らなかった場合など、3カ月を過ぎても認められる遺産放棄の可能性があります。他にも、負債がない場合では、数年後に不動産の所有の存在を知ったケースでも、裁判で認められた場合があります。

原則としては3カ月以内での手続きですが、このような場合は、専門家である弁護士や司法書士などに依頼して、遺産放棄の手続きが可能かどうか確認するべきでしょう。

2.自宅だけを買い取る場合
債務超過によって遺産放棄を行った上で、財産管理人が管理を行うので、財産管理人に対して買い取り交渉を行う事が可能です。

保証人になっている場合の対応

親が住宅ローンなどの申請で、金融機関の融資を受ける際に、その配偶者や子供が保証人になる場合もあります。このような場合には相続放棄が出来ないので、残った債務の支払いを背負う事になります。

この状況で、被害を最小限にする為に、他の相続人に対して相続放棄をしてもらう事で、責任を背負う人数を少なくする事が可能です。保証人だけで債務を継続する事が、他の相続人に責任を負わす事がないので、気持ち的に楽になれます。

まとめ

債務超過における相続放棄の注意点としては、負債の支払いを拒否したい場合には、他の財産の権利も失う事になります。債務超過で苦しむより、3カ月以内に管轄である家庭裁判所での手続きをお勧めします。身内に保証人がいる場合には、特に注意が必要なので気を付けましょう。