孫に相続をするために知っておきたいこと
孫が相続をすることができるのかについては、子供がどのような状態かによります。法律で第1位の相続人である子供が存続している場合には、孫はいきなり相続人になることはできないのです。では、孫に財産を相続させるためには、どのような方法があるのでしょうか。
代襲相続
被相続人が亡くなったとき、子供がそれ以前に亡くなっていれば、その子供である(被相続人からみると孫)が相続をすることができます。それを「代襲相続」といいます。
代襲相続の場合、被相続人が特に何か手続きをとることもなく、孫に権利が当然のように与えられることになります。しかし、注意する点は、特定の孫へ遺産相続をさせたい場合には、この方法は向いていないということです。また、代襲相続は、法律上定められた割合となっています。
遺言書
特定の孫へ遺産を相続させるための有効な方法として、遺言書を残すという方法があります。遺言書は比較的自分の希望通りに遺産を渡すことができます。また、社会的にも広く浸透している方法です。
ただし、配偶者、子供、親には遺留分がありますので、これを侵害してしまうと、場合によっては遺留分減殺請求される可能性があるので注意が必要です。
遺言書は相続トラブルを回避するためにも、相続人たちと話し合い、公正証書を用意した方が良いでしょう。
養子縁組
孫を養子にすると、「相続税の基礎控除」や「生命保険金の非課税枠」が増え、更に世代を飛ばして相続させることができることから、有益な方法となっています。
しかし、メリットだけではなく、孫が未成年であった場合、孫養子の親権者は養親(祖父母)であることから、養親である祖父母が死亡し、孫養子が相続手続きをおこなわなければいけない場合、親権者が不在となることから、「未成年後見人」を立てなければならないということがデメリットといえるでしょう。
贈与
被相続人が生きている間に、孫に財産を渡しておく生前贈与という方法もあります。生前贈与は、年間110万円以内であれば、非課税となりますから、早いうちから生前贈与によって孫に財産を渡しておくという考え方もできるのです。
また、大学や専門学校など教育資金を生前贈与する場合には、年間110万円を超えても非課税贈与として扱われる場合があります。
これは、具体的には「30歳未満の子供または孫への教育資金の贈与は、1500万円までであれば贈与税は課さない」という規定です。
まとめ
子供を通り越して孫へ財産を渡すには、一定の手続きが必要となります。ご自身だけでは解決できない場合には、法律相談事務所や税理士に相談してみることが間違いのない策です。