遺産相続では法定相続分が絶対なのか?
はじめに
誰しもが生きているうちに一度は経験するであろう相続。
その際、遺産の分割方法として考えられるのが「遺言書にそった相続」か「法定相続」だと思います。
遺言書は故人の意志であるから、相当おかしな内容でもない限り異議を唱えようとは思わないですよね。
では、法定相続の場合はどうでしょう?
いろいろ言いたいことがあるにもかかわらず「法律で決められているから」という理由で相続分を決められて納得できますか?
難しいですよね。
そこで、その気持ちを晴らすためにどんな手段があるか見ていくとしましょう。
あくまで目安です!
まず、みなさんに知っておいてもらいたいのが「法定相続分は絶対ではない」ということです。
よく言われるのが、妻と子で遺産相続をした場合は1/2ずつになるとか、妻と故人の兄弟姉妹で分けると妻3/4、兄弟姉妹1/4になるなどです。
これらは遺言書がなく、法定相続に従った場合の決め方です。
ですが、遺言書がなかったら必ずしも従う必要はありません。
相続人同士が話し合いで決められるのならそれでも構わないのです。
そして、そのときに目安となるのが法定相続分なのです。
話し合いが大事
先程も話しましたが、相続は話し合いで決めることもできます。
その話し合いを遺産分割協議と言います。法定相続人が複数いて、規定に従った分割では納得いかなかったり都合が悪かったりしたときには有効な手段となってきます。
なぜなら、効力のある協議ができれば、法定相続分に縛れることなく相続ができるからです。
ただし、そのためには法定相続人全員の参加が条件となります。
そのため、まずは「相続人が誰であるか?」と「相続する意思があるか?」の確認が必要となります。
それから、協議する財産を決めたり、遺言書が残っていないかの確認をするなどの事前準備が大切になります。
ちなみに不動産の相続に関しては、遺産分割協議書が必須です。土地や建物をブロックのように割り振ることはできませんよね。
不動産があるなら早めの対処を
もし、協議する財産の中に不動産があるのなら早めの対処をおすすめします。
それは相続の対象となる不動産の名義人を決めずに放置しておくと売却が困難になるからです。
理由としては名義人が決まっていない状態だと、その不動産を相続人全員で共有していることとなり、そうなると不動産を売却するのに相続人全員の同意が必要になります。
さらに協議が長引いてしまうと、同意を求めようとしている間に相続人のうち何人かが亡くなってしまい、誰に同意を求めていいのか分からない事態も起こってしまいます。
これらの理由などから早めの対処が求められるのです。
まとめ
法定相続分はあくまで目安であり、話し合いによって相続の割合を決めることができるのであるなら、それに縛られる必要はありません。
ですから、相続人全員が納得する結果を導き出せるのなら、話し合いが最も望ましい方法でしょう。
ただし(繰り返しになりますが)不動産が関係してくると早めの対処が必要となるので、その点は忘れないでください。