相続と印鑑証明の関係

カテゴリ:相続のこと

【はじめに】
親や兄弟が亡くなると遺産相続の話が出てくると思います。その話が出てきたら遺産の配分を決め、法律に従って相続の手続きをしなければなりません。そして、その手続きに必要な書類の一つに「印鑑証明」があります。それが何か知っている人もいると思いますが、具体的にどんな書類なのか分かっていない人もいると思います。
そこで今回は印鑑証明が相続にどのように関係しているのかについて紹介したいと思います。

【印鑑証明って何?】

それではまず「印鑑証明が何なのか?」について話していきましょう。
ここで一つ質問です。
「実印はお持ちですか?」
持っていないという方、あなたは印鑑証明を取得することができません。
なぜなら、印鑑証明は所有している印鑑が「本物である(実印である)」と証明する書類だからです。
ですから、実印を持っていないと(当然ながら)始まりません。

実印を作るには自分の名前の入った印鑑を購入し、それを住んでいる市町村役場に印鑑登録をします。この印鑑登録を済ませて始めて印鑑証明を取得できます。
この印鑑証明は相続以外にも、土地の売買や住宅ローンを組む、自動車の購入などの場合に求められたりします。

【遺言か協議か】

遺産相続をする場合、考えられるのは遺言によるものか、相続人同士での協議によるものかの二つですよね。
このうち印鑑証明が必要になってくるのは協議によるものの場合です。
遺言がなく、相続人が複数いる場合は協議によって遺産の配分を決めます。そして、協議によって決めた内容を記した書類が遺産分割協議書です。この書類は署名と実印の押印が必要になります。
それに加えて印鑑証明とセットで提出しないと効力を発揮しません。
また、協議による相続の中に不動産がある場合も印鑑証明は必要になります。それは不動産の名義を変更する相続登記をするためです。
このとき、相続人全ての印鑑証明が必要となります。これと同様に協議による相続をしたあとに相続税の申告をするときにも相続人全ての印鑑証明が必要です。

遺言・協議を問わず相続で金融機関や証券会社に払戻しの手続きをするときにも印鑑証明が必要になります。この場合は、遺産の分け方によって誰の印鑑証明が必要になるのかが決まってくるので金融機関や証券会社に問い合わせることをおすすめします。

【扱いには気をつけて!】

印鑑証明には印影が載っています。印影とは印を紙などに押した跡のことを言います。
ですから、決して印鑑証明を安易に他人に預けたりしないでください。もちろん家族であってもです。
それは印影を使って実印の偽造が可能だからです。印鑑証明とそれによって偽造された実印があれば、勝手に遺産分割協議書に押印し、それをそのまま印鑑証明と一緒に提出ができてしまします。このようなことが起こりえるので印鑑証明の取扱いには細心の注意を払ってください。

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