相続法が2019年に改正、その内容とは?
【はじめに】
相続が発生したとき、無駄な相続争いが起きないよう民法である程度、相続順位・相続配分が決まっています。
ここまではみなさんもご存知でしょうが、2019年7月にその制度が約40年ぶりに改正されました。今回の記事ではその改正された相続法を見ていきたいと思います。
【改正された相続法】
・相続する家について
改正前までは故人の家は相続財産の対象であり、そこに住み続けるには配偶者であろうと(家の所有権を)相続をしなければなりませんでした。しかし改正後、配偶者は相続しなくても住み続けることが可能になりました。(配偶者居住権)
また、この権利だけでは売買や貸与ができないので、その分家の財産としての価値は下がります。つまり、配偶者はより多くの財産を相続できる可能性ができました。
また夫婦の期間が20年以上の場合、家を生前贈与・遺贈したときは相続遺産から外れることになりました。
・財産目録作成でパソコンが使えるように
今までは財産目録は基本的に自筆が前提でした。法改正後はそれをパソコンでも作成可能になります。ただし、目録と一緒に提出される遺書はいまだ自筆が原則。遺書の改ざんやなりすましを防ぐためです。
・法務局による遺言保管
上記で自筆の遺書の話をしましたが、今まで遺書の保管に対して公的なサポートはされていませんでした。おかげで紛失・書換えが多く見られ相続問題の原因にもなっていました。今回の改正で法務局がそのサポートに乗り出し、保管申請をすれば原本保管とデータ保管をしてくれるようになりました。
・被相続人への貢献度が高い人の金銭要求権
近頃では介護を親族ではない人がやることは珍しくありません。彼らには相続の権利はなく不平等であるとの指摘を受け、金銭の要求権利が与えられました。
ただし、親族であり、かつ「無報酬で介護をした」もしくは「被相続人の財産維持増加に貢献した」など条件があります。
・相続した口座の凍結緩和
被相続人の口座は、相続が発生した直後から相続財産対象となり、相続が完了するまで凍結されます。しかしこれだと被相続人の葬儀や相続人の生活維持に支障がでるため、改正後は一定額仮の払戻しができるようになりました。
【まとめ】
いかがだったでしょうか?今回は今度改正される相続法について見てきました。
今回は割愛しましたが、より細かい改正もあり、すべてを網羅するにはより詳しい専門家の手を借りることになるでしょう。しかし、夫を亡くした専業主婦などは、経済状況が厳しくなる傾向にあります。そういった方を救済するためにも今度の改正はぜひ注目したいものです。