被相続人に債務があった場合に遺産から控除できるのか?
【はじめに】
亡くなった方などがある程度の資産を残している場合、相続税がかかります。
その相続税の計算をする際に、借入金などの債務を遺産相続から差し引くことができます。
今回、遺産総額から差し引くことのできる債務の種類とその条件などについてお伝えしていきたいと思います。
【相続税の基礎控除額】
相続税でいう基礎控除とは亡くなった人が残した遺産総額に相続税がかかるかどうかというボーダーラインのことで、この金額までは非課税になるということです。
相続財産が基礎控除額よりも少ないときには非課税になるので相続税はかかりません。
また遺産総額が基礎控除額より多いとしても、基礎控除額を超えた分だけが相続税の対象になります。
平成26年は5,000万円+1,000万円×(法定相続人の人数)だったのが、
平成27年には3,000万円+600万円×(法定相続人の人数)へと変わり基礎控除額が下がっています。
例えば法定相続人が3人とすると基礎控除額は、平成26年は8,000万円だったのが平成27年には4,800万円に変更となりました。
【遺産総額と相殺できる債務・できない債務】
債務で差し引くことができるケースは被相続人が亡くなったときに確実に債務であると認められた場合です。
さらに葬式費用は債務ではないですが、相続税の清算をするときは遺産総額から引くことができます。
一方相殺できない債務は、被相続人が生前に購入していたお墓の未払金といった非課税の財産に関する債務になります。これらの債務を遺産総額と相殺することはできません。
【債務を遺産総額から差し引ける権利を持った人とは・・・】
債務を差し引ける権利を有した相続人・包括受遺者について以下2つのパターンを紹介してみたいと思います。
1.相続・遺贈などで財産を得たときに日本に住所がある人
2.相続・遺贈などで財産を得たときに日本に住所がなかったけれども以下の条件に該当する人
・日本国籍があり、相続開始前10年以内に日本に住所があった場合
・日本国籍を持っていない人で、被相続人が「一時居住相続人」「非居住被相続人」「非居住外国人」でない場合
・日本国籍があり相続開始前10年以内に日本に住所がなかった人のうち、被相続人が「一時居住相続人」「非居住被相続人」出ない場合
【まとめ】
いかがでしたか?「亡くなった方が遺産に加えて債務を残している場合にはそれらを相殺してから相続することができる」という内容についてお伝えしてきました。また、これらのケースではその手続きができる人の条件が定められています。ぜひ参考にしてください。