相続において、相続人となり財産を分け与えられる人は順位が決まっています。配偶者は常に1位なので、どんな家族構成であっても被相続人(死去した人)からの財産を受け取ることができます。では、配偶者なしの場合、財産の相続人の順位はどうなるのでしょうか?ポイントをお伝えします。
親か子か?
Aさんには高齢の両親と、30代の独身2人既婚2人の合計4人の子がいました。既婚している子2名については、それぞれ子(親にすれば孫)が2人ずついます。Aさんの配偶者は10年前に先立ちました。ご高齢の両親はとてもお元気で、Aさんは余命数か月と医師から宣告を受けてしまったのでした。Aさんにご両親はこう言いました。「あなたがいなくなっても、子供達のことはまかせておきなさい。なにせ、あなたには莫大な財産があるのですから。私達も心強いよ。」
Aさんは医師の余命宣告どおりこの世を後にされました。高齢のご両親は相続のため、通帳整理などをしていました。しかし、孫Bがこんなことを言いだしたのです。「相続財産はすべて僕たちのものだよ。」高齢のご両親は冗談を言っているのだと思っていました。しかし、実際にはAさんの親よりもAさんの子が優先されるのでした。
憤慨する高齢の親
高齢の親にも関わらず、子の残した財産が孫のものになるなんて、不満が募るAさんのご両親でした。配偶者がいるなら配偶者のものになるのは分かるけれど、配偶者の次の順位が親でなく子だなんて。高齢のご両親は、Aさんの兄弟姉妹つまり、自分の子らにそれぞれに愚痴をもらしていました。
AさんにはAさんの他に4人の兄弟がいました。兄弟姉妹たちは、両親をなぐさめました。「仕方がないよ、配偶者の次は子だからね。もし、あの孫たちがいなければ、財産はすべてお父さんとお母さんのものになったのにね。ちなみに、お父さんお母さんもいなければ、私達兄弟で山分け。」確かに、親の次の順位は、被相続人の兄弟姉妹です。しかし、そんな嫌味を言うAさんの姉のPさんに対して、この時ばかりはAさんのご両親も苦笑いでした。
子の1人が急死
Aさんの訃報を受けたAさんの子の1人であるRさん、実はAさんが死去される1日前に、出張先での宿泊先で脳梗塞のために急死されていたのでした。Aさんのご両親は、素朴な疑問を抱きました。(4人の孫のうちの1人が亡くなったのだから、あの孫の財産は誰のものになるんだろう。他の孫3人であの孫の分も山分けするのかしら。)
相続において、子が死亡している場合、子の子つまり親からみればひ孫が相続人となります。Aさんの急死された子にも子供が2人いました。ここでポイントは子供が2人ということです。
例えば、Aさんの財産が8億あったとします。それを子4人で分けた(急死された子が存命と仮定した場合)とします。一人あたり2億円ずつになります。相続においては、莫大な財産の場合、ドリームジャンボのような宝くじに当たった的な財産収入があることも。ここでは急死された子がいますので、その子の2億円についてが問題でした。子の子、つまり親のAさんからすれば、ひ孫が相続人となるので2億をAさんの子の子、つまりAさんの両親から見ればひ孫である2人で分けることになります。その結果、Aさんの子3人は2億円ずつ、Aさんの孫2人は1億円ずつ合計8億円の財産が相続されたということになります。
子がいない場合は?
ちなみに、子がいない場合、8億円の財産のすべては、両親に相続されますので、父4億円、母4億円ずつとなります。今回は、Aさんの配偶者のご両親はお亡くなりになられていましたが、もし生きておられた場合は、Aさんの両親とAさんの配偶者の両親の合計4人で分けることになります。さらに、配偶者なし、子なし、親なしの場合、相続人はAさんの兄弟姉妹となります。その場合、Aさんの4人の兄弟姉妹に分配されるので、1人あたり2億円ずつ相続されることになるようです。
相続があった場合~不動産の相続は難しい
キャッシュなど、うまく分けることができる資産を相続するのは比較的簡単です。しかし、不動産は分割できないため、相続する場合にもめる事が多いそうです。不動産の相続人について決まらないなどの問題がある場合は、不動産会社にご相談されるのをおすすめします。