不動産ローンを活用した相続税の節税対策とは?
相続税の節税対策には色々なやり方があります。その中で特に節税効果が高い方法として、不動産投資による節税方法が挙げられます。相続税を減額する方法に有効ですが、リスクも伴うことを良く考えて実行する必要があります。
用途によって評価額は変わる
不動産の相続税額は、土地や建物の評価額で決まります。広さが同じ土地だとしても、土地の上にアパートが建っているのか、それとも自分の土地を自分のために利用している宅地である「自用地」かによって、土地の評価額は大幅に変わります。
例えば自用地の土地にアパートを建て賃貸事業を経営すれば、「貸家建付地」としての評価減少の制度が適用されるので、評価額を引き下げることができるのです。
「自用地評価額×(1-借地権割合(60~70%)×借家権割合(30%)×賃貸割合)」
で求めることができます。
建物も賃家の評価減の適用が存在しているので「固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)」の計算式に基づき評価額を減少させることができます。
評価額を下げることができれば税金対策に
仮に全部屋が満室で賃貸割合が100%の場合、土地評価額は
「自用地評価額×(1-(60~70%)×30%)×100%」
なので、80%程度の評価額になります。
さらに小規模宅地等の特例(貸付事業用宅地等)を利用すれば評価額を下げることができるでしょう。
ローンが債務として残ると相続税が安くなる?
そして被相続人がローンで不動産を購入していた場合、ローンが完済されないまま亡くなってしまうと未払いのローンは債務として相続人に引き継がれることになります。
相続税額を決める時に債務控除が適用され、未払いのローン金額が差し引かれ計算され結果的に相続税が安くなります。
しかしこの場合、相続人にローン残額を支払わせるリスクが発生するため、財産を引き継ぐ相手から理解を得ておく必要があるでしょう。
不動産の価値が変動するリスクも
なお、不動産の価値は変動しますので、節税のため不動産投資を行い不動産の価値が下落しても損をする可能性があります。不動産投資が高額の場合、損失も高額になる可能性があるので投資は慎重に検討しなければいけません。
賃料収入を得られないリスクへの理解が必要
アパートやマンション経営で入居者による賃料収入が見込まれますが、期待していたほどの入居者がなかった場合には賃料収入が得られない可能性があります。
ローンの返済がある場合には賃料収入が返済額よりも低くなり、経済的な負担を強いられることになるでしょう。
さらに不動産を維持するためにはランニングコストも発生しますので、まずどのくらい入居者が見込めるか十分に予測しておくことが必要です。
このように不動産投資は相続対策になるとしても、様々なリスクも存在することを理解しておきましょう。