借地権にかかる税金とは?
借地権とは、土地を借り、その上に借主名義の建物を建築する目的に設定される権利となります。その借地権を有する地主さんに関わる税金には、どのようなものがあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。
借地権にかかる税金
借地権にかかる税金は、その土地に建物があった場合、建物を取得する際に発生する「不動産取得税」や「固定資産税・都市計画税」「譲渡税」「相続税・贈与税」となります。
借地として土地の運用をする場合には、固定資産税や都市計画税は更地と同じ金額がかかります。そのため、地主は地代を決める際に、将来的にも負担が大きくならないような金額に設定するよう意識するとよいでしょう。それでは、借地権にかかる税金について、それぞれ詳しく説明します。
不動産取得税
不動産取得税とは、その名の通り不動産を取得した時に1度だけかかる税金です。借地権で不動産取得税を算出する場合は、その土地に建物を建てた時、もしくは建物が建っているものを購入した時になります。
固定資産税・都市計画税
固定資産税とは、所有している建物や土地、駐車場などを対象に課税される税金のため、使用している本人に課せられる税金のように思えますが、土地の所有者は地主になるので、借地権を有する地主に課せられる税金のひとつとなります。
税率は1.4%で、固定資産税評価額に税率を掛け固定資産税の金額を算出し、地主はその金額を負担することになります。
また、固定資産税以外にも都市計画税が課せられる区域もあります。貸している土地が市街化区域である場合は、固定資産税評価額に最高0.3%を掛けた金額を、都市計画税として負担します。
譲渡税
譲渡税は、借地権を売却した時にかかる税金です。譲渡税を計算する時には、所有していた期間で税率が異なり、短期譲渡所得と長期譲渡所得に分けられます。譲渡した年の1月1日現在において、所有期間が5年以下か、5年を超えるかにより判断します。
税率は、5年以内ならば約39%、5年を超える場合は約20%となっています。
相続税・贈与税
借地権も他の不動産同様に相続の対象となり相続税が発生します。相続評価額を算出する方法は2パターンあり、国税局が定める路線価に対し借地権割合を掛ける方法と、路線価が定められていない地域に関しては倍率方式というものがあります。
倍率方式を使う場合は、固定資産税評価額に対し、一定の倍率を掛けて計算をします。
まとめ
土地を貸している人の中には、知り合いだから、親戚だからという理由で、その土地の価値より安い金額で貸している方もいらっしゃることでしょう。しかし、安く貸して税金分にも満たないということになると、後々、トラブルになることも考えられます。そうならないためにも、土地を貸す場合には、事前にどれだけの経費が発生するのかを計算しておくことをお勧めします。