【借地 底地】 地上権を知るには「借地権」と「賃借権」を比較する
地上権という言葉を聞いた事はあっても、具体的な意味を知らない方もいるのではないでしょうか。この意味を理解するために、「借地権」との違いや「賃借権」の場合の違いを知る事で、その内容について理解を深める事になるのです。
地上権とは
まずは、地上権について説明していきましょう。地上権とは建物を建てて所有したり、樹木や竹材を栽培したりする為に土地を利用する事で、地上にある物質を所有する為に、土地を使用する事の権利を示した法律です。これらの工作物において、建物を所有する事で借地権とし「借地借家法」の対象になっています。
借地権の中に「地上権」も含まれる
借地権とは、建物を所有する為の権利として一般的に知られていますが、厳密に紹介すると「賃借権借地権」と「地上権借地権」の2つの種類があり、地上権は実際には借地権の一部として含まれています。
2つに区別される大きな違いを比較していきましょう。「地上権借地権」は通常的には「地上権」として、「賃借権借地権」の場合は通常的に借地権で通るのですが、ここでは「賃借権」として、以下で比較説明していきます。
「地上権」と「賃借権」の比較でみる違い
1.権利について
・地上権の対象となるのは、物に対する権利として「物権」の事を示しています。
・賃借権の対象となるのは、人に対する権利として「債権」の事を示しています。
2.登記の設定について
・地上権の場合、地主は登記義務があるので登記簿に登記されています。
・賃借権の場合、登記される必要がないようです。
3.譲渡における承諾に関して
・地上権の場合、売買においては地主の承諾は不要です。
・賃借権の場合、売買においては地主の承諾は必要なので注意しましょう。
4.地代の支払いに関して
・地上権の場合、地代がかかる場合が多いですが、無償の場合も実際にあります。
・賃借権の場合、地代を目的としている為、ほとんどがかかる事になります。
5.借地借家法は両方に適用されます。
6.抵当権の設定する事は
・地上権の場合は、地上権それ自体に抵当権が設定されるので価値があります。
・賃借権の場合は、建物に対して設定する事はできますが、賃借権はそこに住んでいる人達との「賃貸契約書」にも関係するので、別の権利と言えます。また、抵当権の設定時に「賃借権」も移行する事を条文化する必要があります。
地上権と土地賃借権の具体的な違い
項目ごとに違いについて説明しましたが、具体的な権利として「主張する権利」について紹介します。
地上権の場合は物権的な権利の特徴として、借地権を設定した場合には、あらゆる人に借地権を対抗できる効力があります。その中には、所有者の地主だけでなく土地を購入しようとしている人、隣人やその他の人に対しても「主張する権利」の効力を有します。
また、地上権の権利に関しても、自由に借地権を譲渡する事ができるので、土地の所有者の承諾はいらない事になっています。しかし、地主さんと長い付き合いを考えた場合、円満に売買を進行するためにも一言お断りを述べた方がよいでしょう。
通常の借地権と呼ばれている「土地賃借権」の譲渡の場合には、「主張する権利」がせばまれているので、土地の賃貸人である地主の承諾を必要としています。
しかし、借地権は本来、土地を借りて住む権利を優遇する為の新たな法律である「借地借家法」によって守られているので、地主が変わったとしても「主張する権利」が守られているのです。建物の登記をする事で、借地権である「土地賃借権」としての対抗要件になるのです。
まとめ
地上権とは借地権の1つの種類であり、効力は通常の借地権よりも大きい事がわかります。本来の借地権と呼ばれているのは、「土地賃借権」の事を指しています。今では、わかりやすく区別する為に、あえて借地権の種類とは言わずに、「地上権」と一方で「借地権」の名前で区別しているのです。