借地・底地問題 ~返還時における合意書について~
土地問題はあれこれありますが、借地と底地の関係というのもややこしいものでして、一歩間違えるとトラブルの原因になりかねないのですから、これは円滑に話を進めておきたいものです。今回は返還するときはどうするのか、について紹介します。
土地と建物の返還
借地人さんに土地付きの建物を貸すことで、借りた人は入居してから生活をしていきます。そうなると、地主さんは家賃収入を得ることになります。収入として今後の年金の補填分に割り当てることだってできるのですから、そういう意味では、マンションの一室を購入してから第三者に貸し出して、家賃収入で老後の年金対策などに割り当てているのと役目は同じですね。
契約期間が終わった場合、土地と建物がそのままで返還するというのなら問題はないのですが、場合によっては建物が老朽化することだってあります。この場合は建物を壊して更地にしてから返還するのが一般的になっています。
返還するとき
契約期間が終わりに近づきつつある頃、借地人さんは病でこの世を去ったとしましょう。そうなれば相続の問題へと発展していくことになるでしょう。
このような各種事情により、土地と建物をセットで返したいという話へと発展していくことでしょう。それ以外にも地代滞納や建て替えなどといった問題も生じることも予測されないとは限りません。まずは返還のことについて話をしましょう。
土地と建物、返します
借地契約が終了した場合の建物の取り扱いは、原則として更地にして返還する事になっています。建物の取り壊しに多くの費用がかかりますので、予め、地主に建物の買取権を請求できる特約を最初の契約時に盛り込む事が可能です。ただし、契約期間満了時のみとなっており、途中契約の解除には、ほぼ、借地人がすべての費用を受け持つ事です。最初の契約の重要さを認識すべきです。
定期借地権に対する返還の注意</h2>
理解すべき点には以下の3つがあります。
1. 一般定期借地権は、50年以上となっており期限には、上限がありません。返還する時も更地で返却するので地主にとっては、土地の有効利用が可能です。書面によって契約しなければ有効でない為、合意書の作成を必要とします。
2.事業用定期借地権は、10年以上30年未満の場合では、契約の更新を認めておらず、30年以上50年未満では、契約を更新する事や建物買取請求権が認められるのです。公正証書によって契約でなければ無効となる場合があります。
3.建物譲渡特約付借地権は、30年以上の存続期間であれば制限がないのです。
契約期間の満了する事で建物の所有権は貸主に移転し、更新の場合は認められません。
まとめ
地主と借地人双方の信頼を約束するのが合意書で、土地問題に限らず、様々な場面でも活躍しています。双方でいろいろな問題は浮上してくることでしょうが、この書類は物事を円滑に進めるためにも重要な役割を果たしています。