不動産投資で債務超過の物件の判別と対処

2020/04/15

不動産投資は誰でも簡単に出来る投資の種類ですが、物件選びを間違えてしまう事や、環境の悪影響によって資産価値が下がってしまい、債務超過になる可能性もあります。不動産投資における債務超過の物件の判別と対処について紹介しましょう。

債務超過の状況

不動産投資では自己資産を全部投入するよりも、ローンなどの資金導入を利用して大きな投資効果を狙う事が、最も活用されている方法になっています。しかし、投資運用が軌道に乗る前に手を広げすぎたりすると、抱えている投資物件の価値よりも、支払いに回す金額の方が多くなります。

購入価格が高くても、10年後や20年後に資産価値は減少して行くものです。物件の価値は、売却する時点の時価によって決まるものです。計画的な投資と売り時を見定めた運用によって、健全な投資管理が行われます。

債務超過の確認は、総資産から支払いなどの負債を差し引いた「純資産」を把握する事で判別できます。月ごとのやり取りや年間の収支の計算において、純資産がマイナスになっていると、実感してわかるはずです。

不動産投資において、債務超過になっているような経営状態では、金融機関の融資が受けられなくなります。金融機関は、所有している財産や不動産などの全ての価値を計算して、支払いできる能力や所有する物件の担保価値などを、総合的に判断して融資の判定を行います。

この時に、「純資産」と所有する不動産物件の資産価値で判断する事になります。純資産がマイナスであれば、融資の可能性がなくなってしまいます。

つまり、債務超過になると経営の改善や新たな投資計画が出来なくなります。最悪の場合は、総資産を全て処分する事や最悪の場合は、破産の申し立てまで考える事になります。

投資する物件の価値を見極める事が、債務超過の対策に最も有効的な方法です。最初の投資段階からある程度の予測は可能であり、物件選びのコツをつかむには、投資セミナーやいろいろな投資家の実体験を参考にして、失敗しない為の勉強をする事です。

最近では、不動産投資関連のアプリなどが、有料・無料といろいろ出ていますので、サイトによってシミュレーション診断が出来る場合もあります。物件購入の前に活用する事をお勧めします。

物件の売却によって利益が出ない場合には、自己資金で負担する事になります。不動産の買い替えのローンが可能な場合もあるので、売却した後の対策を金融機関でローンが組めるかどうか相談する必要もあります。どうしても無理な場合は、任意売却で出来るだけ高く売れる方法を検討します。

新築物件は購入後に2割程度価値が下がると言われています。新築物件はよほどの見極めがなければ、最初の段階で2割程度の損失を考える事です。物件選びや売却価値は絶えず変化する事を把握しましょう。

債務超過は、バランスシートを記帳する事で見極めが出来ますが、対処できるとは限りません。投資物件を相場よりも安く買う努力や健全な運用を示す為に、売却時期を見極める事も必要です。優良物件を手にする為の経験や学びが求められるのです。