共有名義不動産売却後の確定申告について

カテゴリ:不動産基礎知識

年間における所得等の収益状況を明らかにする確定申告。毎月の給与等、定期的な収入が主な申告対象となりますが、不動産を売却した際の収入はどう扱われるのでしょうか。さらにその不動産が共有名義だった場合ではどうでしょう。その辺りを確認していきたいと思います。

確定申告と不動産売買の関連性

確定申告とは、一年間の収入およびその収入を得るために要した支出から、その年の収益を算出し、行政に届け出る制度です。これにより行政は、収益に基づいて諸税額を決定し課税することとなります。

確定申告の対象となる収入としては主に給与や売上等が該当します。これに加えて不動産売却で得た代金については、その不動産の購入に充てた費用や売却に関連する諸経費等を売却代金から差し引いた後、余った分があった場合において申告する義務が生じます。この余った分の代金が収益(=利益)とみなされ、課税対象となるためです。

不動産売却の際、収益が発生していなければ支出の方が多い損益とみなされ申告義務はありません。しかしながら損益が出た場合でもこれを申告の収支に計上していれば、不動産関連のみならず全体の収益を下げる要素となり、結果的に課税額引き下げに繋がるため、節税効果が得られます。

また、不動産売却時の条件によっては、課税対象外とみなされる控除が発生するケースもあります。
これらのことから不動産売却について、義務の有無に限らず収入と支出を明らかにして申告を行った方が節税に繋がるものと言えるでしょう。

共有名義不動産売却についての申告

一つの不動産を複数人が共同で所有している不動産は共有名義不動産に当たります。このような不動産全体を売却した際、共有者各々が得る収入および確定申告の方法はどのようになるのか見ていきたいと思います。

共有名義の不動産を持つ場合、その共有者一人一人にはそれぞれ自分の共有持分が定められています。共有持分とは、共有する財産について共有者各々が持っている所有権の割合を示すものです。
共有名義不動産における共有持分の割り当ては、不動産取得時の状況によります。
例えば、その不動産を共同で購入した場合では、代金を誰が何割分支払ったかという割り当てがそのまま共有持分に反映されますし、相続した不動産を共有する場合では、遺産分配の割合に応じて共有持分が決まることとなります。

共有名義不動産売却においても、確定申告の進め方としては通常の不動産売買と相違点はありません。
ただ、共有者それぞれが得る売却収入は、売却代金総額中自身の共有持分に相応する割合の額となります。そのため不動産売却代金の総額ではなく、共有持分に応じて実際に自分が得た金額を、不動産関連の収入として申告することとなります。

まとめ

以上のように、一般の不動産売却のパターンを基本として見ながら、共有名義不動産を売却した年の確定申告の進め方について確認いたしました。
参考になれば幸いです。

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