借地(底地)にかかる様々な費用(経費)負担~更新料・修繕費用など~
はじめに
底地とは借地権が設けられている土地のことを言います。
底地権者(地主)からその土地を借りた人(借地人)が建物を建ててそれを利用し、地主に地代を支払うというのが一般的な形になっています。
つまり土地のオーナーと建物のオーナーが別々にいるというスタイルになっています。では、このとき様々な費用や経費はどちらが何を負担するようになっているのでしょうか?
以下で見ていくことにしましょう。
底地権者が負担する費用
底地の持ち主、つまり地主が負担する主な費用には次のようなものがあります。
土地部分の税金
土地や建物には、それを所有しているだけで「固定資産税」という税金がかかってきます。
また、その土地や建物が、都市計画法という法律が定めた市街化区域に存在している場合には「都市計画税」という税金もかかってきます。
そして、これらの税金に関してはそれぞれの持ち主が、それぞれの税金を支払うことになっています。
つまり地主が負担するのは、底地部分にかかってくる固定資産税(および都市計画税)ということになります。
土地の修繕費用
民法第606条の規定により、その土地を賃貸した限り、地主には「その土地を借地人に使用させる義務」および「借地人が使用できるように修繕する義務」があります。
したがって、災害で土留めが壊れるなど土地に損壊が発生し、使用できなくなったときには、地主は費用を負担して修繕をしなければなりません。
ただし、借地契約書の中に特約が設けられているケースなどはこの限りではありません。
借地人が負担する費用
次に、借地人の負担となる主な費用としては以下のようなものがあります。
建物の税金
先ほど説明した固定資産税(および都市計画税)のうち、建物など借地人の所有となっている資産にかかってくる分に関しては、借地人が負担します。
更新料
旧借地法で定められた借地権や借地借家法で定める通常の借地権では、その土地に建物が建っていれば、地主は正当な事由のない限り借地契約の更新を拒否することができません。
その代わり・・・と言えるかどうかは微妙ですが、契約更新の際、借地人は地主に対して更新料を支払うというのが通例になっています。
金額的には、借地権の価格の5%程度というのが一般的な相場です。
ただし、更新料は法的な義務ではなく契約内容によっては支払わなくて良いケースもあります。
承諾料
借地に建てられている建物を増改築する場合にも、一般的には借地人から地主に対して承諾料が支払われます。
その金額は更地価格の3%(木造から鉄筋コンクリートあるいは鉄筋に増改築する場合は10%)というのが相場です。
ただし、承諾料も「通例」であり、法的義務ではありません。
最後に
最後に、借地契約が終了した場合の話についても触れておきましょう。
この場合、原状回復義務により原則的には借地人の費用負担で土地を更地にして地主に返さなくてはなりません。
ただし、借地権の期間満了で契約を更新しないケースでは、借地人からの請求があれば地主はその建物を買い取る義務がありますのでご注意下さい。