相続用語の基礎知識 被相続人・相続人・代襲相続人とは?
はじめに
相続に関連したインターネットのサイトや書籍などを読んでいると、「被相続人」とか「相続人」とか「代襲相続人」といった言葉が出てきたりしますよね。
いったい誰のことを指しているのでしょうか?
今回は、相続用語の基礎知識として「被相続人」「相続人」「代襲相続人」という言葉の意味を考えていくことにしましょう。
それぞれの言葉の意味
話を分かりやすくするために簡単な架空の事例を見てみることにしましょう。
事例
タケシさんは生前いくつかのアパートやマンションを賃貸経営していましたが、86歳で亡くなりました。
タケシさんは若いころに離婚しており亡くなったときは独身でした。
離婚した奥さんとの間には2人の子どもがいましたが、そのうち一人はタケシさんよりも先に亡くなっています。
今現在、肉親としては娘さんのヨシコさんと、先に亡くなった(国際結婚していた)息子さんの子ども、(つまりタケシさんの孫にあたる)マイケルさんだけだったのです。
そこで、タケシさんの遺産であるアパートやマンション、預貯金などは娘のヨシコさんと孫のマイケルさんで半分ずつ相続することとなったのでした。
誰がどの「相続人」?
今回の事例で言えば、亡くなったタケシさんが「被相続人」にあたります。
つまり、「被相続人」とは遺産を残して亡くなった人のことであり、自分の遺産を「受け継がれる」人のことになります。
また、娘のヨシコさんは遺産を受け取る、つまり遺産を「相続」する人ですので「相続人」に該当します。
ところで、今回の事例でもし息子さんが存命であるならば、法律通りに遺産を受け取るのは(すなわち「相続人」になるのは)その息子さんと娘のヨシコさんのはずでした。
しかし、息子さんはタケシさんよりも先に亡くなっています。
そこで、本来は息子さんが持っていた遺産を相続する権利が、孫であるマイケルさんに引き継がれることとなったのです。
このような相続は「代襲相続」と呼びます。
したがって代襲相続をしたマイケルさんが「代襲相続人」ということになります。
話をまとめると、遺産を残して亡くなった人が「被相続人」
その遺産を受け取る人が「相続人」
「相続人」が先に亡くなっている場合にその権利を引き継いで遺産を受け取る人が「代襲相続人」ということになります。
最後に
遺言書がないケースなど法律(民法)の定める通りに遺産を分配して(法定相続分と呼びます)相続する場合、相続人となる人のことを「法定相続人」と言います。
法定相続人となれるのは配偶者、子ども、親、兄弟と姉妹で、それぞれに順位も決まっています。
そして、代襲相続はその法定相続人が先に亡くなっている場合に発生するものですから、代襲相続人となれるのは孫やひ孫または甥や姪ということになります。