不動産投資におけるリスク ~債務超過の危険性とその対処法について~
土地や建物の運用で収益を得ることを目的とする不動産投資。これは、取り扱う商品、即ち不動産物件が単価として高額になることが常であるため、債務超過のリスクが伴うものであるとも言えるでしょう。債務超過とはどのようなものか確認しつつ、その対応策について考えてみたいと思います。
不動産投資について
不動産投資には、大きく2通りの方法が挙げられます。
まずは、不動産を保有することで収入を得るタイプのインカムゲイン。
例えばアパートのような賃貸住宅等による定期的な家賃収入がこれに該当します。1回辺りにおける収入はさほど高額とは言えませんが、長期的かつ安定的に収入を得られる形態と考えられるでしょう。
もう1つは、不動産の購入金額と売却金額の差額による利益の獲得を目的とするキャピタルゲイン。
不動産価格が安くなった時に購入し、値上がりした時に売却するのが主な手法であり、不動産関連の知識に精通していなければ困難な投資法と思われます。
不動産におけるインカムゲインとキャピタルゲイン、いずれにおいても共通する点は、月々の一般的な労働賃金と比較すると高額と言える資産を元手にして行われる、という点です。
そこで仮に、投資による収入が元手を下回る結果となってしまうとどうなるでしょうか。月の一般的労働賃金とは桁違いの不動産を扱う性質上、生ずる負債もまた高額になるものと考えられます。
負債の額によっては、債務超過と言う好ましくない状況に陥る危険性があるでしょう。
債務超過とは
自分が所有している全ての財産より、借金等の負債が上回っている状態を債務超過と言います。つまりは、全財産を処分しても借金を完済できない状態に当たります。
インカムゲインとキャピタルゲイン各々において債務超過が生じる原因としては次のことが該当します。
まずキャピタルゲイン型においては、購入した不動産の評価額が下がり、その差額が他の所有財産を充てても補えないケース。
次いでインカムゲイン型においては、賃貸住宅の建築費等、初期費用として借り受けたローンの返済を家賃収入で補いきれず、赤字が膨らみ続け財産を使い果たしてしまうケース。もしくはキャピタルゲイン型のケースと同じように賃貸物件として運用する不動産そのものの評価額が下落し、経営状態にはあるものの債務超過と見做されるという場合もあり得ます。
債務超過が生じてしまうと、ローン等融資を受けられなくなり、これ以上の不動産投資の継続が困難になることが考えられます。最悪の場合、所有する財産を全て処分し負債の補填に充て、それでもなお残る負債の返済を迫られる事態に陥ることとなるでしょう。
債務超過を回避するには?
では、債務超過に陥るのを避けるにはいったいどうしたらよいのでしょうか。
まず考えられるのは、支出を所有する財産の範囲内に抑えて不動産投資を行うことです。しかしこれには元々潤沢な資産を有していることが条件であるため、誰しもが実践できるとは言えないでしょう。
もう1つ考えられることは、大きな失敗を生まない不動産投資を行うことに尽きるでしょう。
まずは、多額の借り受けを避ける等、無理のない形で不動産投資に携わることが重要です。また、物件の価値を見極める鑑定眼等、不動産投資に関するノウハウを前もって充分身に付けておくことも欠かせません。それらに加えて、不動産投資に詳しい専門家のサポート体制を整えた上で検討していけば、債務超過のリスクは大幅に軽減できるものと思われます。
まとめ
不動産投資に関しては、債務超過の他にも注意しておきたい点が様々見受けられます。その分野に精通する不動産会社等、専門家の協力を得ることでより安心して取り組むことができるかと思われます。