不動産の契約・解除についてのトラブル
【はじめに】
不動産の契約や解除にまつわるトラブルに発展しそうなケースなどを予測して今回記事にまとめてみました。
【分譲マンションの契約を解除方法】
分譲マンションでは不動産が当初の建築計画に基づいて工事に着手した場合には手付金放棄により契約を解除することができます。
売買契約を締結した場合には、不動産会社が「契約の履行に着手」する前であれば手付金を放棄することで契約を解除することができます。
契約の履行に着手した場合、契約者の希望する建築材料の発注から建築工事に着手した事実が判明すると、手付による解除が認められず、契約違反となってしまいます。契約書の定められている違約金等の条件などをご確認してください。
【「ローン特約」がある時の、売買契約を解除する方法】
通常のローン特約とは、予定していた条件で住宅ローンを借り入れできなかったときは無条件で解除できるという取り決めになっています。この場合、支払った手付金も返還されます。
住宅ローンを利用して住宅を購入することが前提の売買契約の場合、大事になってくることは、契約書のローン特約条項の明確化や具体的な記載があるかなどです。
また借り入れを予定されている金融機関・支店名・金利など条件を明確にしておくことが必要です。
【手付金の保証証書などがあれば手付金は返ってくる】
宅地建物取引業法では売り主となる不動産会社に対して一定額以上の手付金等を契約者から受け取るときには、保全配置を講じていることを義務づけています。この場合保険会社などによる保証、または保険会社による保険金によって手付金等が保全されます。
【不動産売買の場合、契約を解除する際には手付金は戻ってこない】
支払った手付金は一般的に「解約手付」として授受されます。
「解約手付」とは売買契約を結んだ後に、何らかの事情が生じて契約の解除をする場合に、契約者はそれを放棄することによって解除することができるというものです。(履行に着手するまでの間)
契約が成立した後に契約者側が解除する場合には手付金の放棄に加えて原則として仲介手数料について支払う必要が生じます。信頼関係の上での契約ですから、事前に解除することがないようにしましょう。
【引渡しの遅延によって発生した家賃など、遅延損害金を施工業者に請求する】
遅延の原因が施工業者にある場合は、施工業者が責任を負います。
民法415条により、引き渡しが遅延した間に支払った家賃など、契約書通り引き渡しをうけていれば、発生しなかった損害額を請求することができます。
契約書をしっかり確認し弁護士や法律の専門家に相談しましょう。
【まとめ】
契約は大事な信頼関係の上で成り立っています。契約解除ではどうしてもトラブルに陥りやすく最悪の事態では訴訟などといった事案になってしまいます。契約書を明確にすることでスムーズな解決につながるのでしょう。