共有不動産の登記と単有の違いとは

カテゴリ:不動産有効活用

不動産の登記をする場合に、名義人が登記をすることになります。その際に、単独での場合と複数の名義人になる場合とでは、登記の方法が違ってくるのか?また、共有と単独ではどのような違いがあるのかを見ていきましょう。

不動産の登記について

不動産を購入した際や相続などで不動産を所有することになった場合、その不動産について管轄する法務局に登記申請をする必要がでてきます。名義人が1人であれば「単独所有=単有」となり、複数で所有する場合は「共同所有=共有持分」となります。

「共同所有=共有持分」とは、複数人での所有になった場合にそれぞれが不動産について持っている所有権の割合のことをいいます。例えば、夫婦や親子でもあり得ますがそれぞれが所有権の半分(1/2)を共有している場合の割合ということです。この割合(共有名義)を法務局で登記を行わなければなりません。

共有と単有の登記

この2つの登記の違いとは何か?登記の際に共有の場合には、「登記事項」に共有持分が記載されることです。基本的に大きな違いはないのですが、登記目的の記載事項が変わってくるのです。

大きな違いはというと、「登録免許税」の計算です。この税は登記申請をする際に法務局へ納付する税金になりますが、例えばその算出方法は単有所有の場合に1000万円(固定資産税評価額)の土地を相続したとして
1000万円 × 4/1000(登録免許税)= 4万円 登録免許税は単独所有4万円となります。

では、名義変更(持分)の分を算出方法です。
1000万円 × 1/2(持分割合) ×  4/1000 = 2万円
1000万円 × 1/4(持分割合) ×  4/1000 = 1万円 となります。

この算出方法で出した金額からもわかるように、単有の名義変更よりも持分名義のほうが安くなっているのは一目瞭然です。

共有持分の重要ポイント

重要ポイントとして、例えばマンションを購入した際に夫婦での共有持分で登記をします。
気を付けなければならないポイントとしては・・・

〇控除
住宅ローンの控除を受けることができます。この場合夫婦それぞれが、ローンの残高に対して控除を受けることができます。控除の内容は、一定の割合を所得税から年末のローン残高の1%の控除となります。

〇売却時の控除
売却時に居住用財産の買換えの特例で3000万円が控除され、これも2人名義の場合はそれぞれで控除が受けられるため6000万円の控除となります。

〇贈与税
購入する際に夫が銀行でローンを組んだとすると、登記には夫婦で半分の共有登記と夫を債務者とする抵当権の登記が行われたとします。この場合、夫がすべてお金を支払っていたとしても、税務署は半分の所有権は妻にあるとみなし、これに贈与税が課せられます。このことからもわかるように、割合に応じた登記を検討しておかないと後に贈与税が掛かることになりますので注意が必要です。

〇売却
何らかの理由により売却をすることになった場合に、夫婦の持分となっているため1人だけの判断では売却することができません。2人の承諾が必要となります。

〇相続
例えば、夫が亡くなった場合、ほとんどが妻か子ども相続の対象になります。この場合に他の相続対象者が存在すると、遺産分割の対象になるため面倒な話になります。

まとめ

共有の名義にするか、単有にするかはそれぞれのメリットとデメリットを考え選ぶ必要があります。どのケースに該当するかによっても異なりますので、専門家に相談されることをお勧め致します。

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