空き家が問題視される原因とは
空き家問題を扱ったニュースや特番などをよく見かけるようになりました。社会的課題のひとつとして取り上げられている番組編成が多く、空き家を取り巻く厳しい意見もよく聞かれます。では、空き家が問題視される原因はどのようなところにあるのでしょうか。こちらでは、空き家を所有していることで起こる問題について説明します。
放置空き家がもたらす被害
田舎に空き家を所有していると、定期的に管理がおこなえない場合があります。そのような場合に起こりうる危険性にはどのようなものがあるのでしょうか。
老朽化による倒壊
空き家によく見られる家の構造は木造が多く見うけられます。木で造られた家は定期的に換気などをして適切な管理をおこなわないと、どんどん弱くなってしまいます。
特に耐震基準の改正前(昭和56年以前)に建てられた建物は、耐震性が大きく不足している可能性があり、小さな地震や台風でも倒壊することがあるのです。
また、雪の重みにより倒壊するケースもあります。積雪は時間が経つにつれ重みも増してくるので、雪国に空き家を所有している方は雪の重みで倒壊してしまわないよう除雪もおこなわなくてはいけません。
景観の悪化
景観を損なう空き家とは、建物が老朽化し、庭の木や雑草が高く伸び、長い間人の手入れがされていない状態をいいます。このような空き家は景観上良くないだけではなく、不法投棄や害虫・害獣の繁殖の原因となってしまいます。
また、空き家はその周辺の不動産価格にも影響する場合があります。ひとつの地域内で管理されていない不動産が目立つ場合、そこが管理されていない地域である印象を住民や訪問者に与えてしまい、防犯上でも不安を増幅されることになってしまうのです。
不審者による治安の悪化
建物の中に所有者の私物が置かれているような空き家では、不審者が侵入し、そのまま寝泊りをしているという事例もあります。また、人だけではなくネズミや猫などが住み着いてしまうケースは割と多く、家の中をめちゃくちゃに荒らしてしまう場合もあります。そうなると、その後の家としての利用は困難になり、建物の資産価値が落ちてしまうことになります。
放火の不安
空き家は人目につきにくく、燃えやすい枯草、不法投棄されたゴミ、所有者が残した私物などが散乱していることが多いため、不審者による放火の可能性が高くなります。
日本の火事の原因は、20年間連続で1位が「放火および放火疑い」なのです。放火で狙われやすいのは空き家で、実際に空き家を狙った放火が全国で繰り返し起きているのです。
まとめ
空き家を放置するとどんどん荒れていき、行政からマークされてしまう可能性もあります。老朽化した空き家は、景観や環境などの面で周辺地域にリスクをもたらすだけでなく、防犯上のリスクも出てくることから、相続により空き家の所有者となられた方は、適切な管理を施しましょう。