相続税の課税対象になってもまだ節税出来る?債務控除とは?
相続税の課税対象となる人は全体の8%ほどだと言われています。つまり相続税の課税対象となる場合は相続財産が多いことになります。しかし節税は出来るようです。相続税の計算の基本となる課税価格から差し引く事ができる債務控除についてお伝えいたします。
債務控除って何?
お亡くなりになられた故人のことを被相続人(財産を与える人)、相続財産を受け取る人を相続人と言います。被相続人の財産と言うと不動産、現金、株式、社債など+の財産をイメージするかと思われます。
しかし、被相続人の中には借入金などの債務をお持ちの方もおられるかも知れません。負の財産である債務も相続人は相続財産として相続しなければいけません。
そこで、負の財産と+の財産を相続した場合、相殺することが出来るシステムが相続税にはあります。債務を相続税の計算の基礎となる課税価格から差し引くことを債務控除と言います。
債務控除になる財産は?
債務控除になる負の財産は一般的に借入金が代表的です。他には故人が生前経営者であり、事業を営むなどをされておられた場合は所得税、固定資産税なども債務控除とすることが出来るようです。特に事業をされておられた方の買掛金の未払金を相続人の後継者が支払う場合も債務控除とすることが出来るようです。
他には医療費で分割払いにしている場合の未払金も含まれます。故人が生前1人暮らしだった場合で水道光熱費などの経費未払金があればそれも債務控除の対象です。
葬式に関するアイテムで債務控除になるものは?
故人の葬儀の全国平均は196万ほどだと言われているようです。葬儀にかかった費用の中で債務控除に出来るものはこちらになります。
・僧侶に対する読経、葬儀でのお布施
・戒名料
・葬儀や通夜のプラン代金
→プランに入っている通夜振る舞いや、精進おこしの費用も含まれるようです。
・ご遺体、遺骨の移送費用
債務控除にならないものは?
債務控除にならないものは、こちらになります。
・墓地購入のための借入金、墓地代
・位牌、墓地への彫刻代
・香典返し費用
・初七日から四十九日までの法要代
・不動産などを相続した場合の名義変更に関する費用
→登録免許税、司法書士報酬など
・相続税の申告をしてもらった場合の税理士報酬
・遺産分割協議で支払った弁護士報酬
・戸籍謄本などの発行代金
など
債務控除~債務を相続する人だけが差し引けるアイテムではない
相続税では、例えば債務を相続した人が自分のプラスの相続財産から、債務を差し引けるという訳ではないようです。一旦すべての被相続人の財産を合計したところから、債務のすべてを差し引き、残りの財産を分割し、課税価格を算出するシステムのようです。
つまり、債務控除は相続する+の財産分の割合分だけ、債務も多く差し引ける事になりそうです。