兄弟と子供がいる場合の相続~優先順位があるって本当?

相続財産を持っている場合で兄弟と子供がいる場合、優先順位があるようです。また、子供がいなくても、兄弟がいる場合があります。兄弟に相続財産を渡したくないという場合などがあります。その場合どうすればいいのでしょうか。ポイントをお伝えします。

 

相続財産~相続人には優先順位がある?
財産を持っているAさん。Aさんには妻、兄弟3人と子供2人がいました。Aさん以外の兄弟はみんな独身でした。Aさんは妻、子供、両家の両親、Aさんの兄弟3人と同じ家で全員一緒に暮らしていました。妻の両親、Aさんの両親は今年100歳になりますが、みんな元気でした。
ある日、Aさんに突然余命宣告がなされたとします。Aさんは自分の財産について、誰に渡るのか全く知りませんでしたし、Aさんのファミリーも全員で平等に分けると思っていました。そんな仲良しのファミリーでした。しかし、Aさんの余命宣告を機に、妻、子供達、兄弟と両親が相続のことで言い争うようになりました。
実は、相続人には優先順位というものがあります。巷では相続争いで事件となることもあるくらいです。ドラマにもなったりしていますよね。その理由は優先順位にありそうです。

 

すべてにおいて優遇されるのは親それとも妻(配偶者)?
お母さんと私、どっちが大切なの?嫁姑争いには必ず出てくる言葉ですね。実は、相続においては、どんなことがあっても妻(配偶者)が優遇されるという決まりがあります。
稼いだのは夫だったとしても、夫の財産を管理し、家庭を守ってきたのは妻であるから、夫の財産は妻の財産でもあるという考え方から、妻が誰よりも優先されるという考えになっているようです。

 

妻と子なら?
私と子供、どっちが大切なの?そう言われて戸惑う方も多いのかもしれません。相続においては、配偶者VS子供全員と言う考え方です。
つまり、Aさんの場合、妻は2人の子供と同順位だということになります。100という財産があれば、50が妻、50が2人の子供に分けられます。つまり、子供1人あたりは25(全体の1/4)ということになるようです。

・子供達は妻と同じ財産の量をみんなで均等に分ける
これが基本です。妻と子供がいる場合、兄弟がいても、兄弟には相続財産は渡らないことになるようです。では、子供がいなければ兄弟と妻で財産を分けるのでしょうか?親がいるなら、親と妻で分けることになり、兄弟には渡らないようです。

 

親か兄弟か?
Aさんの兄弟は全員親に反抗し、親が嫌いだったとします。昔、親がAさん達を言葉で虐待していたことがあったからです。Aさんは自分の病気で心に余裕がなくなったので、昔の親への反抗心が出てきてしまいます。我慢できなくなってしまったのです。
親に財産が渡るためには、子がいないことが前提です。Aさんに子がおらず妻と親と兄弟だけだったとします。その場合、親と妻が同順位となります。この時、親は100ある財産のうち、3分の1だけをもらうことになります。
Aさんの場合、Aさんの父母の2人で3分の1をもらうことになりますので、1人当たりは6分の1となるようです。

 

親がおらず祖父母だけだったなら?
Aさんには妻はおりましたが子がおらず、両親も他界していたとします。しかし、祖父母は母方、父方の両方が元気だったなら、Aさんには4人の祖父母がいることになります。
その場合、100の財産のうち、両親がもらうはずだった3分の1を祖父母4人で分けることに。そうなると祖父母1人あたり12分の1ずつもらえることになるようです。

 

たとえマザコンでも配偶者が優遇される
たとえ、Aさんがマザコンだったとしても、相続時は配偶者が最優先されてしまいます。もし、Aさんが母親にどうしても多くの財産を与えたければ遺言書を書いておく必要がありそうです。
つまり、本人(被相続人)の意思は法定相続人の順位よりも最優先されるというわけですね。Aさんに妻と兄弟だけがいると想定する場合で妻にすべての財産を渡したいと思う場合もAさんは遺言書を書いておく必要がありそうです。

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