借家の修繕費を少しでも安くおさえる方法~契約時NGな事とは?
借家は退去する時、必ず部屋をチェックされ、ハウスクリーニングが行われます。さらに、部屋にひどい汚れや修繕が必要だと判断されると、修繕にとりかかるので修繕費が発生します。
修繕費を安くおさえるには契約時にコツがあるので、ポイントをお伝えします。
敷金って何?礼金は?
よく聞かれるのが、退去時に戻ってくるお金があるということではないでしょうか。実は、礼金は退去時には戻ってきません。戻ってくるのは敷金になります。
礼金は読んで字のごとく、大家さんに借家を借りることが出来たことに対するお礼のお金ということで、礼金と呼ばれています。一度大家さんにお礼をすれば、それは大家さんのものになりますので戻ってくることはないというわけです。
戻ってくるのは敷金~全額戻らない理由
一方、戻ってくる敷金ですが、100%が戻ってくるわけではないようです。その理由は、敷金を使って、大家さんはハウスクリーニングをするからです。
例えキレイに使っていたとしても、借りた日から時間が経過すれば、ほこりや汚れが壁や床、シンク、お風呂、トイレなどに出て来ます。そこで、借家を入居者が退去する時にハウスクリーニングをするわけです。この時、ワンルームだと2~3万円位かかると言われていますが、その金額を賃貸契約時に支払った敷金でまかなうということになります。
敷金は家賃の1~3か月分だと言われています。例えば、家賃7万の2か月分で14万、ハウスクリーニング代が3万だとしましょう。残りの11万が戻ってくる敷金となるというわけです。
修繕が必要ならさらに引かれる
例えば、入居者はアロマオイルが大好きだったとしましょう。ユニットバスのお風呂で、毎日ロウソクをともしてアロマポットを焚いて楽しんでいた入居者。退去の日が近づいてきました。アロマポットも大切な荷物の1つとして、ダンボールへ収納するために持ち上げた時、なんと洗面台に焦げを発見してしまったのです。
長年のアロマのロウソクの炎の温度によりロウソク台が接する部分が溶けてしまっていたのでした。焦げてしまった部分は洗面台の鏡の下の台部分、取り換えが必要になったのでした。修繕がハウスクリーニングとは別に必要になります。この時の修繕費も敷金から出ているんですね。
つまり敷金は、ハウスクリーニング代、そしてもしものための安全な保険と考えられるのではないでしょうか。
契約時に失敗してしまいがちな事とは?
ハウスクリーニング代と修繕費をまかなえる敷金ですが、敷金ゼロ円の物件に入居すると退去時に敷金を使うことが出来なくなってしまいます。貯金がゼロ円なのにお金をおろすことはできないのと同じで、契約時に敷金を支払っていないと退去時のクリーニングも、修繕費も実費となるというわけです。
そのため、入居期間が長いと想定される、具体的には2年以上借家に住み続けることになることが想定されるなら、敷金ゼロ円の物件には入ることはおすすめできません。
敷金ゼロ円を借家にするのに向いている場合もある?
では、敷金ゼロ円はなぜ入居募集があるのでしょうか?単なるおとり物件でしょうか?敷金ゼロ円を借家として賃貸するのに向いている人は次のような人でしょう。
・その部屋に住む予定が2年未満だ。
・退去時のハウスクリーニング代3万(ワンルームの場合)を自分で支払える人
なぜ、2年を超えると損するのかと言いますと、敷金ゼロ円の場合は2年で敷金を発生させた場合の部屋と同じ位の利益になるように設定されているようです。つまり、相場よりも家賃を敷金分だけ上乗せし、2年を通じて家賃を支払ってもらえれば、敷金も回収できるそうなのです。
そのため、2年以降住む人はあらかじめ高く設定された家賃で住み続けることになり、結果的に敷金の上乗せ部分の額の累積額だけ損をすることになるからです。
退去時に修繕費用を節約するポイント~敷金は契約時に支払っておこう
退去時に修繕費用を節約するためには、入居時の敷金はあらかじめ入居時に支払っておくことがポイントです。残った敷金は返金されますので、キレイに部屋を使うことも借家の修繕費節約のポイントと言えそうです。