【横浜市中区の不動産屋発信】不動産を相続した場合の減価償却

カテゴリ:相続のこと

親族などから不動産を相続した場合、最も頭を悩ます課題の一つが不動産物件の減価償却ではないでしょうか? ”取得価額はどうなる?”、”計算方法は?”といった疑問を持つ方も多い事でしょう。今回は相続により取得した不動産の減価償却について解説します。

不動産の相続人になったら

これまで不動産経営を行ってこなかった人が、親族などの死去により事業を引き継いだ際には、管轄の税務署へ個人事業の開業届と青色承認申請書を提出する事になります。相続によって取得した不動産の取得価額及び未償却残高は、被相続人の物をそのまま引き継ぎます。取得日は、相続開始の日(被相続人の死去日)になります。

引き継ぐべき物

被相続人が取得した不動産を、相続人が引き継いで所有するわけですから、相続時点の被相続人の帳簿残高(資産の取得価額・それまでに計上してきた減価償却類価額を引いた未償却残高)を引き継いで、不動産経営を始める事になります。

尚、不動産を引き継いでも、「償却方法」は引き継ぎません。管轄の税務署へ改めて減価償却方法の届出書を提出する事になります。

減価償却は定額法で行いましょう

1998年(平成10年)4月1日以降に相続などによって取得した建物の減価償却は、定額法によって計算する事が義務付けられています。これは、被相続人が定率法で減価償却していた場合でも例外は認められない為、誤って定率法を用いて減価償却費の計算をしてしまわない様に注意しましょう。

定額法での減価償却費の計算式は次の通りです。
「取得価額×定額法の償却率×月数÷12=減価償却費」

不動産の耐用年数

相続によって不動産を取得した場合、耐用年数の簡便計算を用いる事は出来ません。あくまで法定耐用年数が当てはめられます。

〇一戸建て住宅 木造の物など  法定耐用年数22年
〇中古一戸建て 耐用年数を超えている物など 法定耐用年数4年
〇マンション 鉄筋コンクリート造の物など 47年
〇木造アパート 木造モルタル造の物など 20年
〇その他設備 金属製のアーケード・日よけなど 15年/8年

となっています。

その他の注意点

よくある例として、被相続人の未償却残高を相続人の取得価額にしてしまうケースが見受けられますが、これは間違いです。取得価額はあくまでも被相続人の取得価額になります。

また、賃貸用不動産を相続する場合は所有権変更登記の為、登録免許税及び司法書士への手数料が発生します。これらは相続人にとっての経費となりますが、取得価額には含めません。

まとめ

今回は、不動産を相続した場合の減価償却について解説しました。ご親族が無くなった事によって不動産を相続した場合には、やるべき事が沢山あります。不明な点や不安な点があれば、知識を持った税理士や不動産業者に相談する事をおすすめします。

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