【横浜市中区の不動産屋発信】共有不動産の相続問題と対処法
横浜市中区にある共有不動産の所有者や、相続による共有不動産の所有者となる場合に、その扱いには後々、問題となるケースがあります。特に相続問題の場合は、複雑な関係性が絡んでくるので、共有不動産の相続問題と対処法について紹介しましょう。
共有不動産の性質についての理解
最初に共有不動産について紹介しましょう。不動産の所有には、単独で登記する場合と複数人で登記する場合があります。
共有名義の意思決定の同意
共有不動産の特徴として、複数の人達が意思決定の為の権利を持っており、同意に必要な割合によって意思決定の権利の度合いを決めています。
【1.共有物の「変更」に対する同意】
共有不動産を売却する場合には複数の所有者全員の同意が必要となり、誰かが独占して売却する事を禁じています。これは、大規模な修繕や建て替えなども該当します。
【2.共有物の「管理」に対する同意】
持分価格の過半数に相当する同意を必要とします。共有物を貸す場合や契約の解除、家賃の変更など使用方法などが該当します。
【3.共有物の保存行為】
同意を必要とせずに自由に行えます。管理に相当する共有不動産の修繕や、法定相続による所有権移転登記、無権利者に対しての明け渡しや抹消請求などが出来ます。
不動産の分割と分筆
不動産を別々に登記する場合は「分筆」として、所有権を完全に独立する事が出来ますが、小さな土地の場合は売れなかったり利用価値が低下したりする事に繋がります。
分割とは新築の為に必要な土地の区割りを調査的に行う行為であり、実際に分けるわけではありません。
共有不動産の相続問題と対処法
共有不動産自体の取り扱いに困る場合が存在するのに、それに相続問題が絡んでくると、話し合いで解決出来ない場合も多く秘めています。相続人が複数いる場合の分割協議がまとまりにくい事が挙げられます。
しかし、相続人のそれぞれが公平に分割するには、一旦、共有名義で取り扱うのも間違いではありません。可能であれば、不動産と現金をそれぞれに単独で相続出来れば問題は回避可能なのですが、実際には難しいようです。
共有後に売却処理を行う
単独名義が不可能な場合は一旦共有物として扱い、3年以内をメドに早めに売却して公平に分けると節税も可能です。取得費加算の特例があります。
相続後に亡くなった場合の対応
兄弟などで相続した後で困るのが、2次相続で共有不動産の対象が、亡くなった兄弟の配偶者と子供に相続権利が移行する事です。権利の所有者が増えるにつれて、その対処方法も複雑になってきます。そうならない為にも共有不動産の対処を、単独にする方法や売却による分配を行う必要性が出てきます。
遺留分の請求
相続人の中には、遺産となる前から財産の管理を単独で行い、資産の情報を公開せずに独占する行為や、遺産にあたる不動産を勝手に処分する場合があります。
相続人の権利を有する場合や、遺言書の決定に異議を唱える場合には、遺留分の請求が可能です。
共有不動産に対して現金を請求する事は禁じられていましたが、民法の改正後は金銭債権として、遺留分の請求によって持分登記を行い、その後に話し合いで売却を行い公平に分ける必要があります。
まとめ
相続問題は、誰にでも起こり得る複雑な問題です。それぞれの事情や人生によって、考え方が異なるのは仕方がない事ですが、共有不動産の相続問題を引き起こさない為にも、単独所有や売却による公平な分配で納得出来る対処法を実施する事です。身内だからと言って先延ばしは禁物です。