相続に関する民法の改正点について
私たちが、日常でより良い生活を行う為には、社会的なルールによって守られたり、罰せられたりすることで保たれていると言っても過言ではないでしょう。民法は、家族の事から財産や相続、不法行為に至るまで、私たちの生活に根付いた規則を法の力で平等に裁定します。今回は特に相続に関する改正法について紹介しましょう。
40年ぶりに改正した相続の法律
相続を決定づけるのは、民法と相続税法によるものです。特に相続の法律は、民法第882条~第1044条の中に詳しく定められています。
〇総則における内容
相続の開始は、被相続人の死亡によるものから開始することなどについて総則には定められています。
〇相続人の内容
民法による相続人となる人を「法定相続人」と言います。遺産相続の順位や法定相続人が受け取る割合などが定められています。
〇相続の効力の内容について
法定相続人の取り分の目安を規定しており、その為の分け方などについても相続人になった全員の話し合いで遺産の分け方などが定められています。この中には、子供や孫と親や兄弟での、分け方についても定めています。
〇相続の承認及び放棄について
遺産を相続する事は、本人の自由意思によって決められる事です。必ずしも相続しなければならないのではありません。相続の方法も、プラスだけを受け継ぐ事や遺産放棄する事など決めています。マイナス分だけを引き継がないなどの限定承認があります。
〇財産分離についての内容
亡くなった人に負債があった場合に、プラスの遺産を勝手に使用されない為にも、債権者は、相続人の財産と遺産相続を分割する事で、負債分の差し止めが出来る手段です。
〇相続人の不存在について
被相続人に家族がいないような場合にはどうするべきか、相続財産管理人を選定する事で、世間に公表して、相続人に該当者がなければ国の所有物になる事です。
〇遺言についての内容
本人が亡くなった後の財産について誰に渡すのか、どのように分配するのかなど、遺産相続について自分の意思を反映させる事などが定められています。
〇遺留分についての内容
遺言に異議を唱えた場合などで、遺留分として一定の範囲の取り分に関しては主張できる制度について定めています。これも、配偶者や子供、親や兄弟についての配分を定めています。
※相続税に関しては、毎年のように更新されていますので、国税庁ホームページ確認できます。
新しくなった民法の相違点
配偶者居住権の創設
相続開始時に被相続人の所有する建物に住んでいた場合には、終身のあいだ住む事や一定期間で住む事を、無償で住む事が出来る権利を定めています。これによって、配偶者は「配偶者居住権」を主張する事になり、それ以外の相続人は、逆に「負担付きの所有権」を持つ事になります。
自筆証書遺言に関する定め
財産目録をパソコンでの作成が添付書類として認められました。また、今までは、自筆証書による遺言書を自宅で管理していましたが、法務局での管理が可能になりました。せっかく作成しても書き換えられたりするなど紛争を防ぐ為の手段として有効です。
まとめ
平成30年7月に改正された相続法の大きな違いは、配偶者居住権についてと、遺言書の保管制度について変更点がなされた事です。民法によってこれまでのようなトラブルが起こらないように配慮された法律となっています。