後妻とその子にはどう相続される?
現在、日本では離婚する夫婦が多くなってきています。ある調査によると、その割合は全体の35%とされ、3組に1組が離婚していることになっています。それに比例して再婚率も高くなっています。この記事を読んでいる方の中でも、親・親戚・友人の(もしくはご自身の)再婚に立ち会ったことがあるのではないでしょうか?今回は、後妻とその子の相続についてご紹介していきます。
先妻・後妻の相続
ここで気になるのが相続の問題。ただでさえややこしい相続に、先妻・後妻が入ってくるとなると、混乱に拍車がかかることは目に見えています。さらに先妻との子や後妻の子が絡んでくるとトラブルの予感さえしてきます。
ケースから見る相続
具体的な事例を出しながら、相続がどうなるか見ていきましょう。
【事例】
マサオさん(40歳)は5年前に離婚して、最近2度目の結婚をしました。
先妻との子どもは2人で、後妻の連れ子が1人います。
さてこの状況でマサオさんが亡くなったとき、遺産分割はどうなるのでしょうか?
まず、現在の配偶者(つまり再婚相手)は必ず相続人になることが法律で決められています。
相続分としては遺産の半分です。
次に相続人になるのは子どもたち。配偶者と子どもが相続する場合の割合は1/2ずつですから、今回は遺産のもう半分を子どもたちで分け合うことになります。
ここで問題になるのは、再婚相手の子が遺産を受け取ることができるのかどうかです。
できるのであれば、1/2を3人で分け合うわけですから、1人当たりにつき遺産の1/6を受け取ることになります。
逆にできないのであれば、実子(先妻との子ども)2人で分け合うことになり、1人当たりの受け取り分は遺産の1/4です。
この場合のポイントは、後妻との結婚後にその子と養子縁組を結んでいたかどうかです。
相続に関して言えば、配偶者との間に法的な婚姻関係が成立したとしても、その連れ子との
間の親子関係が自動的に成立するわけではありません。配偶者の連れ子にも自身の財産を相続させたいのであれば、配偶者との婚姻関係だけでなく、その子との養子縁組も成立させておく必要があるのです。
したがって今回の事例でも、もし養子縁組が成立していたのであれば、連れ子1人と実子2人、合わせて3人が遺産の1/6ずつを受け取ることになります。
また、養子縁組が成立していなかったのであれば、実子2人のみが遺産の1/4ずつを受け取ることになるわけです。
まとめ
連れ子のある配偶者と結婚した後に離婚する場合にも注意が必要です。この場合、離婚したとしても養子縁組が成立していれば、そちらの方は自動的には解消されません。したがって、配偶者の子は離婚後も法定相続の権利を持ったままとなります。このようなケースで配偶者の子に遺産を相続させたくない場合には、離婚の際に養子縁組も解消しておくようにしましょう。