自動車の相続|名義変更の手順

カテゴリ:相続のこと

自動車を所有していた方が亡くなると、その自動車を誰も使用せずにそのまま放置しておくのも悔やまれます。それでは自分が引き取ろうと考えても、他の相続対象者もいるので、どのような手順を踏めばいいのかわからないものです。ここでは、相続順位、自動車の名義を相続人名義に変更する必要性、変更の手順について説明します。

相続順位

相続順位とは、法定相続人になることができる順番を示すものです。まず、亡くなった被相続人の配偶者は順位と関係なく常に相続人となります。そして、第1順位に子供、第2順位に父母、(父母が亡くなっている場合には祖父母)、第3順位に兄弟姉妹となります。

先順位の者がいれば、相続人になることはできません。例えば、第1順位の子供がいる場合には第2順位の父母や第3順位の兄弟姉妹は相続人にはなれないのです。

自動車を相続人名義に変更する必要性

自動車の名義を相続人名義に変更をしていないことで、自動車の売却ができないほか、誰も使用していない自動車の税金を払うことを避けるためにおこなう一時抹消登録などの手続ができなくなるなど不都合が生じます。

また、名義を変えずにそのまま自動車を乗り続け、事故を起こした場合には、補償についてもトラブルが生じることも考えられます。

相続の手順

相続の手順は以下のようになります。

①自動車の所有状況を確認(誰の名義になっているのか)

自動車の所有者(名義人)は、車検証の「使用者の氏名又は名称」に記載されている内容で確認ができます。気を付けていただきたいのは、その欄にリース会社やファイナンス系の会社になっている場合です。その場合は名義変更ではなく、それぞれの会社と契約更新をするようにします。

②自動車の新所有者を決める

相続の対象となる方が複数人いる場合、一旦は皆さんの共有財産となります。相続人の中から新所有者(相続人)を決めるには遺産分割協議の話し合いで決定する必要があります。

③遺産分割協議書を作成

故人の財産をどのように分割するかについて協議した内容をまとめた遺産分割協議書を作成します。自動車を遺産分割協議書に記載する際には、「車名」「登録ナンバー」「型式」「車体番号」を忘れずに記載しましょう。

④必要書類の準備

〇相続人が1人の場合
<故人>
・戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

<相続人>
・戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
・印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・実印

<その他>
・車検証
・車庫証明書
戸籍謄本は被相続人が亡くなったことと、相続人であること、他に相続人がいないことを証明するために必要になります。

〇相続人が複数の場合
<故人>
・戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

<相続人>
・全員の戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)

<その他>
・車検証
・車庫証明書

【遺産分割協議により単独相続する場合】
・被相続人全員が押印済みの遺産分割協議書(相続する車の査定額が100万円以下の場合、遺産分割協議成立申立書でも可)
・単独相続する相続人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・単独相続する相続人の実印

【相続人全員で共有する場合】
・相続人全員の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・相続人全員の実印

⑤陸運局へ手続に行きましょう

まとめ

自動車の遺産相続手続は時間がかかったりして大変そうという理由から、車を放置してしまったり、名義変更をせずに使用する方もいらっしゃいます。先延ばしにしていると、自動車の値打ちが下がってしまったり、放置することで車の処分に高額な費用がかかってしまうこともあります。不動産などの資産と同じように名義変更は早めにおこないましょう。

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