相続した事業にかかる消費税について
はじめに
事業を行う上では、税務面をしっかりとさせておくことが重要です。
親から子へ事業を引き継ぐときに、まず気になるのは相続税のことですよね?
しかし実は消費税も注意しなければいけません。
そこでこの記事では「事業承継に必要な消費税」について、確認していきたいと思います。
事業を引き継いだときの納税義務について
それではまずどのような場合に消費税が生じるのかを見ていきたいと思います。
まず基本期間として2年前の課税売上げが1,000万円を超過した場合。
次に、特定期間として前年1月から6月までの課税売上高と給与支払額が、1,000万円を超過した場合です。
これらに該当する事業者は、原則として消費税の申告と納付を行う義務があります。
次の項では、親から子へ事業を継承した場合の消費税について見ていきたいと思います。
特例判定の話題に入る前に前提として
事業を長く続けていく中で、親から子へ事業を引き継ぐことがあります。
この場合の消費税納付義務の判定方法としては、子が親から事業を引き継いだ最初の年から3年間は特例判定が必要になります。
またこの3年間もすべて同じではなく、1年目・2年目・3年目と基準が異なるため、注意深く確認していく必要があります。
まず事業を引き継いだ方について、前項で述べた「基準期間(2年前)」と「特定期間(前年の1月から6月)」、いずれかの期間で、売上高が1,000万円あった場合や、特定期間においては、さらに支払った給与の金額が1,000万年を超過した場合は、消費税を払わなくてはなりません。
この場合、事業に引継ぎに伴う「特例判定」は、当然ながら必要がなくなります。
親から子へ事業を引き継いだ場合の特例判定とは?
上記の以外の場合は、特例の判定が適用されます。
親から子へ事業を受け継いだ最初の年は、引き継いだ日の翌日からその年の12月31日までが、1年目となります。この期間に課税売上高が1,000万円を超過したときに最初の年の判定対象となります。
事業を引き継いだ2年目以降は?
課税事業者となる場合の条件としては「事業を相続で引き継いだ人(子)と事業を相続した人(親)」の「基準期間の課税売上げの合計」が1,000万円を超えていることとなります。
繰り返しになりますが、初年度の事業を明け渡した人(親)の基準期間の課税売上高が消費税の対象でしたが、2年目3年目になると、事業を明け渡した人(親)と、事業を引き継いだ人(子)との、課税対象額の合算額が特例判定の対象となります。