財産を相続するときの非課税枠について
【はじめに】
例えば一家の主が亡くなってしまった場合、その日から相続が始まります。また相続が始まった日から相続財産を受け継ぐ期間が決まってきます。相続ができる財産にはさまざまあり、相続税という税金が課せられることとなりますが、税金が掛からない「非課税枠」という特別な枠もあります。
この記事では、財産を受け継ぐときの流れと、税金が掛からない非課税枠について、ご紹介していきたいと思います。
【財産の相続から受け継ぐまでの流れについて】
大切なご家族が亡くなられると、家族や親族は深い悲しみに入りますが、同時に行わなければいけないことが山ほどやってきます。
例えば、相続は財産の持ち主が亡くなった瞬間に始まります。
また、通夜や告別式葬儀を行いつつ、役所へ死亡届を提出する必要もあります。
死亡届は、臨終を確認したお医者さんの診断書を添付し7日以内に提出することになりますが、この死亡届を役所へ提出することで、火葬許可証が発行されます。そののち告別式や葬儀を終えて、健康保険証の返却と年金受給停止の手続きを行います。
それから、4か月の間に亡くなられた方の相続税の確定申告や準確定申告が必要となり、さらに遺産分割協議書の作成や不動産があればその名義変更を行います。
そして10か月以内に、相続税の申告や納付、1年以内に医療分の減殺請求と続きます。
【相続税が掛からない非課税枠について】
相続財産を受け継ぐことで相続税が掛かりますが、税法上で税金が掛からない相続税の基礎控除といわれる「相続税の非課税枠」という一定金額以内の枠が設けられています。
つまり、この一定金額を超えなければ、「非課税」ということになります。
非課税枠は、「3000万円+相続する人の人数×600万円」で計算され、それが「相続税の基礎控除額」となります。また相続する財産によっては限度内の非課税枠があり、その枠内であれば相続財産の計算から除外することが可能です。
【配偶者に対して設けられている非課税枠とは?】
亡くなられた方のご主人あるいは奥様がその方の財産を受け継ぐときは、「配偶者の税額軽減」という非課税枠があります。「配偶者の税額軽減」の限度額を決めるには2つの選択肢があります。一つは「1億6千万円以内」、もしくは「配偶者の法定相続分」のどちらか高い金額のものが配偶者に対しての非課税枠ということになります。
配偶者の相続税の非課税枠は、相続税申告書の提出によって手続きされます。
【生命保険にも非課税枠が】
配偶者に対しては、非常に大きな金額の非課税枠が設けられていますが、それ以外のものとして生命保険の保険金に対しても非課税枠が設けられています。
亡くなられた方が生命保険に加入していた場合、生命保険の死亡保険金が支払われますが、これを相続財産として受け継ぐ場合は、「500万円×相続する人の人数」という計算で、非課税となる限度額が決められます。この限度額が相続税が掛からない非課税枠となり、相続税の計算から除外されることになります。
【まとめ:】
大切なご家族が亡くなられた場合、家族や親族は葬儀や告別式とともに、役所への死亡届や健康保険の返却の手続き、相続に関する手続きを行う必要があります。
また受け継ぐ財産には非課税枠があり、配偶者に対しての非課税枠や生命保険の保険金に対する非課税枠が設けられています。詳しくは弁護士や税理士など、専門の方にご相談されることをおすすめします。