後妻の子に相続させるには?
【はじめに】
なにかと相続にはトラブルのイメージがつきまといます。
しかしそれはお金持ちや大地主など一部の人の話ではないかと思いがちではないでしょうか。
ですが相続トラブルはだれもが巻き込まれる可能性はあるのです。
【現代の家族でも・・】
現代の家族は少子化、核家族化が進みあまり相続トラブルとの関係をイメージできません。
しかし現代の家族の傾向として、昔より離婚率は高くなっています。
それはつまり離婚して再婚する人も多いということで、そこで起きやすい相続トラブルの一つとして「前妻(後妻)の子問題」が起きやすいということです。
【後妻の子に財産をあげたい】
Aさんは以前、妻のBさんと離婚して現在はDさんと結婚しています。
前妻Bさんとの間に子どもCさん、後妻Dさんには子どもEさんがいますが、Eさんは後妻Dさんの連れ子であり、Aさんと血のつながりはありません。
しかしAさんは後妻Dさんとその子どもEさんに資産を相続させたいと考えていて、前妻Bさんとその子どもCさんには相続させたくないと考えています。
このケースでの相続はどうなるのでしょうか。
・基本的な答え
民法で定められた法定相続人として、Aさんが亡くなった後は現在の配偶者であるDさんは相続できますが、Aさんと血のつながりのない子どもEさんは相続できません。
離婚した前妻Bさんは相続の権利がありませんが、Aさんと血のつながりがある子どもCさんは相続する権利があります。
【血縁のない子に財産を分けるには】
では、血のつながりのない子どもEさんにも財産を相続するにはどうすればよいでしょうか。方法を挙げてみます。
・遺言書を作成する
Aさんは遺言書に「Eに財産を分ける」と書けばEさんも相続を受けることができます。しかし「D(後妻)とEには財産をゆずるが、(前妻との子)Cには財産をゆずらない」と書いたとしても、血縁のある人には遺留分の権利があるので、子どもCさんも遺留分の財産を受け取ることができます。
・養子縁組をする
AさんはEさんを自分の子どもとして養子縁組をすればEさんも相続人になれます。ただし血縁者としてCさんもEさんと同じ割合分を子どもとして相続します。
・贈与する
生前贈与、また死因贈与の方法があります。ただし110万円以上の贈与で贈与税がかかります。
【まとめ】
もし血がつながっていても相続させたくない人がいたとしても相続人であれば最低でも遺留分が支払われます。血のつながりがなくても養子縁組で相続、または他の方法で財産を分けることは可能です。
結婚や離婚はだれにでも起こりうるものですが、特に子どもといった血縁者はどんなに現在の生活で関わりがなくても相続が発生すると相続人となることは覚えておきましょう。