相続で養子は法定相続人になれるのか?
【はじめに】
養子になると実子の親子同様になるので法定相続人にはなれます。
また、相続の対象になる養子縁組には種類があるのをご存知でしょうか。
そこで今回は「相続養子」についてお伝えしたいと思います。
【養子縁組制度には2種類ある】
養子縁組制度には「特別養子縁組」と「普通養子縁組」の2種類があります。
これらは条件も大きく異なっています。その違いは次のようになります。
・特別養子縁組
養子とは血のつながりのない子どもを迎えるものですが、この場合本当の子どもとなります。
特別養子縁組は戸籍でも実子扱いとなり、実の親との法律上の親子関係はなくなります。そのため厳しい審査基準が設けられています。
・普通養子縁組
普通養子縁組とは、実親との関係が残ったまま養親との縁組になることです。結果として二重の親子関係ができることになります。
普通養子縁組には次の条件を満たす必要があります。
・未成年者の養子を迎える際には家庭裁判所の許可があること
・養子となる人が15歳未満のときは実親の同意があること
・養子縁組による親が成年者であること
【養子は法定相続人になれるか】
結果から言うと養子は法定相続人になれます。
その理由は、養子縁組を組むと法律上では親子の扱いとなり、血族と同じ扱いになります。それによって法定相続が認められることになります。
さらに普通養子縁組には、実の親が死亡しても血族関係は継続されるので、実親分の法定相続分もあります。
ちなみに再婚相手に連れ子がいる場合、手続きをしないと相続を受けることはできません。親同士の再婚だけでは子どもと認定されないので、遺産相続をしたいときは養子縁組をする必要があります。
【注意したい養子の人数】
相続税の基礎控除額は『3000万円+600万円×相続人の人数』で決まります。つまり相続人が多ければ多いほど控除額は多くなり、節税効果が高くなります。
では相続人数を増やすために養子を多く迎え入れることは可能でしょうか?
実は養子の数には限りがあり「実子がいるときは1人まで、いないときは2人まで」と決められています。
今まで相続税の節税対策として無暗に養子縁組を組むケースがあったため、相続税法上でそう定められています。つまり民法上、養子は何人でも迎えられますが、節税対策としての養子縁組には制限があるということです。
【まとめ】
今回は相続と養子についてまとめてみました。
相続を考えるのは複雑で大変なことです。それに養子の問題になるとただでさえ複雑なことがさらにややこしくなるでしょう。
こういった問題は家族だけで悩まず専門の弁護士などに相談し検討してみるのもよいでしょう。