不動産相続 ~所得税と相続税について~
【はじめに】
亡くなった親族から遺産を相続することになった場合、手続きが必要となります。
しかし税金にはいくつか種類があり、それにより手続きも異なってきます。
「不動産相続の手続きは所得税と相続税、どちらなのか?」「確定申告は必要か?」など、疑問はつきません。
今回は不動産を相続した際の手続きと税金について、大まかに見ていきたいと思います。
【不動産相続と税金】
1.所得税と相続税
3,600万円以上の遺産を相続した場合、相続税を支払う必要があります。
所得税は事業などで一定以上の収入を得ている場合に支払う税金で、確定申告をして支払います。
それに対し遺産の相続は、何の対価もなく他人から受け取るものなので、確定申告ではなく相続手続きをして支払います。
ただし、収入を生む資産を相続した場合は確定申告が必要です。
2.不動産相続と確定申告
・賃貸不動産を相続した場合
賃貸マンション、アパート、駐車場など、収入を得ることを目的とした不動産を相続した場合は、所得に対して所得税がかかります。
例えば、これまでアパート経営をして毎年3月に確定申告を行っていた母親が亡くなったとします。子供にアパートが相続され、そのまま経営を継続する場合は、所得税の確定申告を行う必要があります。
※確定申告の注意点
確定申告では、その年の1月1日から12月31日までの収入・経費・利益などを計算します。
母親が8月31日に亡くなったとすると、その年の1月1日から8月31日までの収入は母親のもので、9月1日から12月31日までの収入はアパートを相続した子供の収入として計算します。
また、被相続人(亡くなった人)に関わる収入の確定申告のことを「準確定申告」と言い、死亡日から4か月以内に行わなければなりません。
相続人の確定申告は、通常の確定申告と同様、翌年の3月15日までに行います。
・事業の相続
被相続人が、青色申告で事業として賃貸を行っていた場合は、通常の確定申告以外にも必要な手続きがあります。
また相続人の青色申告には、書類の提出期限が設けられています。
期限は被相続者が亡くなった日にちや被相続者の収入が発生した期間によって変わります。
【最後に】
今回は、不動産相続と税金についてまとめました。
遺産の相続には所得税ではなく相続税がかかります。しかし、賃貸経営を目的とした不動産を相続した場合は所得税が発生し、確定申告が必要です。
また、相続した時期や、青色申告をする場合など、状況によってルールが変わってきます。
自分のケースでの手続き方法を詳しく知りたい方は、国税庁のホームページをご覧になるか、専門家に相談されることをお勧めします。