借地契約の途中解約について
【はじめに】
自宅の老朽化が進んでしまって、どこか新しい家に引っ越したい。そういったことは良くあることです。
しかし、今借りている土地はどうなるのでしょうか?引っ越した後も借地料は払いたくないし、かといって途中契約ができるのかもわからない・・・
そんな疑問に今回は答えていきたいと思います。
【借地法が定めるもの】
そもそも、借地契約は「借地法」という法律で取り決められています。
これは建物の所有を目的とする土地の借地契約と建物の借家契約について定めた法律です。
かつての借地契約では、貸主の方の権利が強く定められていました。なので貸主が借りている人の契約更新を一方的に打ち切ることもしばしばで、こういった事例をなくし、貸主借主両方の権利を平等に守るように借地法は取り決めています。
【貸主から借主への途中解約】
結論からいいますと、途中解約はできません。
借りている人はその契約の期間満了までその土地・家を使う権利があり、たとえ土地・家がもともとは借りたものであったとしても本人以外が契約を打ち切ることはできません。
これはもし契約書に期間内での契約解除についての項目があったとしても、同じように契約解除はできません。
【借主から貸主への途中解約】
今度は逆に、はじめの方で書いたような事例を見ましょう。
つまり、なんらかの理由で借主が借りた土地や家の解約をしたいときです。一見このケースは可能なように思えますが、このときも途中解約はできません。
さきほども書いたように借地法は、契約者である貸主借主両方の権利を守るものです。この場合、貸主から見ると見込まれていた収入(地代や家賃など)が一方的に打ち切られています。そうなると貸主の権利が守られておらず法律の趣旨から外れてしまいます。
【特約事項と合意による解約】
上記のように基本的には期間内解約はできませんが、ある条件では可能です。
それは契約時に「期間内の借主からの解約が可能」という特約事項を設けた場合です。これがあれば、貸主も期間内の契約解除があり得ると認識しているので、借地法の趣旨には反していません。
次に解約をお互いが合意している場合。
この場合も当然OKです。互いが解約合意しているのに契約を続行する意味はないですからね。あくまで、どちらか任意の解約要請が合意に達したときだけであり、強要して合意にかぎつけた場合は無効になります。
【まとめ】
今回は借地契約の途中解約についてまとめてきましたが、いかがだったでしょうか?
基本的には途中解約はできないということでしたが、特約事項の有無、または双方合意の上での解約は可能ということでしたね。途中解約をしたいと思ったときは、まず契約書を確認して可能であるか調べたり、詳しい人に契約書を読み解いてもらうとよいでしょう。