不動産の家賃収入や売却時にマイナスが出たら?損益通算時のポイント
不動産経営をしている場合や、不動産を売却した場合、利益が出ないことがあります。不動産経営や不動産を売却した場合で損失をだした時、他の所得から差し引くことができるのが損益通算です。不動産における損益通算のポイントをお伝えします。
不動産の賃貸経営で赤字をだしたら?
不動産の賃貸経営をしている場合で、家賃未払いや空室などからその年の不動産所得がマイナスになる場合があります。その場合、マイナス分を+の他の所得と相殺する損益通算を用いることができます。ただし、別荘の家賃を受け取っているなど、その用途が趣向品的な場合、その家賃収入がマイナスになっても損益通算は出来ません。
不動産の売却で赤字を出したら?
土地や建物の不動産を売却した場合、不動産所得ではなく、譲渡所得となります。土地や建物の保有期間が5年以下なら短期譲渡所得となり、5年を超える場合は長期譲渡所得になります。どちらも、不動産の売却でマイナスがでれば+になっている他の所得と相殺する損益通算が利用できます。
不動産の売却~こんな場合は損益通算できない
土地や建物の売却の中でも、嗜好品的な要素のある別荘地、別荘などは売却によってマイナスが出たとしても、損益通算ができません。
不動産所得で赤字の場合~他の所得があるかどうかをチェック
いくら不動産所得でマイナスが生じたとしても、他の所得がプラスで発生していなければ損益通算はできません。
・利子所得
・配当所得
・事業所得
・給与所得
・雑所得
注意したいのは、不動産所得でマイナスが出た場合です。つまり、家賃収入でのマイナスではなく、土地や建物の売却損が出てしまった場合は、これらの所得からは差し引くことは出来ません。
譲渡所得でマイナスが出た場合
土地や建物の不動産の売却で赤字が出た場合、一時所得から差し引くことができます。一時所得は1/2する前の価格を用いることになります。
不動産所得と譲渡所得の両方がある場合
不動産所得と譲渡所得の両方があり、不動産所得、譲渡所得のいずれかまたは両方共赤字の場合で、かつ不動産所得のマイナス部分がまだ残っている場合があります。その場合は、譲渡所得のマイナスを一時所得から差し引いた残りの黒字部分から、差し引くことができるようです。
マイナスの譲渡所得がある場合で、一時所得から控除してもまだマイナスが残る場合は、こちらの所得の中で黒字がある場合は差し引くことができます。
・利子所得
・配当所得
・事業所得
・給与所得
・雑所得
つまり、不動産所得と譲渡所得がある場合、それぞれの第一次損益通算が終われば、まだ残るどちらかの赤字は、黒字で残った方の所得から差し引く(損益通算)できるというわけです。
山林所得や退職所得がある場合はさらに損益通算できる
不動産所得や譲渡所得において、赤字が生じ、それぞれの損益通算を行い、まだ赤字が残ることがあります。その場合で山林所得や退職所得がある場合、山林所得→退職所得の順番にマイナス部分をこれらの所得から差し引くこともできるようです。