相続した不動産の減価償却はどうするの?ポイントご紹介
故人の財産を相続した場合、相続財産の時価が相続税の課税価格になります。 不動産の場合は、減価償却をした後の価格が相続税評価額となりますので、時価で計上すると損することに。不動産を相続した場合の減価償却のポイントをお伝えします。
こんなケースの場合の減価償却
Pさんは平成29年5月10日に故人であるRさんから不動産投資をしていたマンションを相続したとします。マンションは平成6年1月にRさんが取得したものでした。取得価額は1000万円、定額法、旧定額法の償却率は0.046、未償却残高が取得価額の5%の50万円だったとします。
・Rさん:準確定申告する必要あり。期間は死去された年の1月1日~死去日(5月10日)まで
→5月10日については、10日は端数ですが、1か月分の減価償却とカウントしています。不動産を相続したPさんがRさんの代理として準確定申告をすることになるようです。
・Pさん:確定申告する必要あり。期間は死去日(5月10日)~12月31日まで。
Pさんはいつ不動産を取得したことになるのか?
Rさんは平成6年1月に不動産を取得しました。そのマンションを相続したので、Rさんの取得日も平成6年1月だと思いがちです。
しかし、相続で不動産を取得した場合は、故人の死去日に中古の不動産を新たに取得したと考えるようです。そのため取得日は平成29年5月10日になるようです。
平成19年3月31日以前に不動産を取得したRさん~旧定額法
故人であるRさんは平成6年1月に不動産を取得しているので、平成19年3月31日以前に不動産を取得していると言えます。その場合、旧定額法で減価償却をすることに。
・旧定額法:取得価額の95%になれば、残りの額は1円の残し、5年で均等に償却していくこと。
→今回の未償却残高50万はちょうど取得価額の5%なので、1円を差し引いた残りを5年で均等償却することになります。さらに、故人であるRさんの償却期間は1年の12か月のうち、1月1日から5月31日までの5か月間になります。
→(50万-1円)÷5年×5か月/12か月=41,666円
平成19年4月1日以前に不動産を取得したPさん~定額法
Pさんは故人であるRさんの死去日である平成29年5月10日に不動産を中古で取得したことになります。つまり、平成19年4月1日以降に不動産を取得したことになります。中古であっても、戸建て新規物件であっても減価償却方法は同じとなるようです。
減価償却期間は、平成29年5月10日~12月31日までですが、端数である5月10日については、1か月分とカウントするので、8か月間の減価償却費を算定することになるようです。
・Pさんの減価償却費:定額法:取得価額(Rさんが取得した時の価格:1000万)×償却率(0.046)×8カ月/12か月=306,666円
相続財産で不動産がある場合~不動産会社または税理士に相談
相続財産で不動産がある場合、減価償却費を取得価額から差し引くことで、相続税の課税価格を下げることが出来そうです。迷った場合は、不動産会社または税理士に相談されてみるのも1つではないでしょうか。