自分名義ではない借地に住宅を建築する際に名義変更は必要?
借地の権利についてはさまざまなトラブルがつきもの。特に親が契約した借地については、親が高齢になったら子どもが代わりに管理しないといけないといったケースも少なくありません。その際に借地の権利が「親」名義であることによりトラブルとなってしまうことがあるので注意が必要です。
○親名義の借地に子名義で新築住宅を建てることは可能?
よくあるケースをご紹介します。
親が高齢になり、親と離れて生活するのは心配。そこで親が契約していた借地に二世帯住宅を建てることにしました。親は年金暮らしだった為、親の名義ではローンを組むことができませんでした。そこで子名義で住宅を建てることにしました。ところが、その事実を知った借地の地主から「借地の権利のない子名義で新築をするのなら、建て替えの承諾料と名義変更料を支払ってくれ。そうでなければ承諾はできないよ」と言われました。
この承諾料と名義変更料は支払いの必要はあるのでしょうか?
○義務ではないが支払う必要がある。
このようなケースでは承諾料と名義変更料を支払わなければならない場合がほとんどで、名義変更も必要です。
後述しますが、あまりにも承諾料・名義変更料が高額な場合には交渉の余地はあります。
具体的な流れとしては、借地の権利者である親から子名義に変更する許可を求める場合には、まず親の借地権を子に名義変更しなければなりません。
借地の権利がある親の推定相続人はその子であるため、借地料の支払いに支障がなければ、借地権の名義変更は許可される可能性は高いです。
その次に新しく借地人となる子が借地に二世帯住宅を新築する承諾を得る必要があります。建て替え許可についても、よっぽど特殊な計画でなければ承諾されるでしょう。
注意点として、絶対にやってはいけないことは地主の承諾なしに子名義で二世帯住宅を新築すること。契約書に「無断で第三者に転貸してはならない」という契約があれば地主から借地契約の解約を求められることもあります。
○承諾料と名義変更料の相場は?
諸説ありますが、借地権の条件変更による承諾料は、土地の更地価格の約10~15%。
名義変更料については借地の権利価格の約5%または土地の更地価格の約2~5%が相場です。承諾料については新しい名義人が推定相続人であれば価格が下がる場合もあります。
注意点として、地主から相場以上の高額な料金を求められる場合もあるので、弁護士などの専門家に相談するとよいでしょう。